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「乳がん発見」新鋭機導入!紀和病院~紀北筋初の朗報

乳がんの早期発見で、女性たちの命を救おうと、和歌山県橋本市岸上にある医療法人南労会=佐藤雅司(さとう・まさし)理事長=の紀和病院は、最新鋭の乳房X線撮影装置マンモグラフィー「トモシンセシス(3次元撮影)」を、紀北筋(岩出~橋本)で初めて導入した。紀和病院・紀和ブレスト(乳腺)センター長の梅村定司(うめむら・ていじ)医師は「これまでとは比較にならないほど、乳がんを早期発見できるようになりました」と話した。女性たちが「安心感」を持てる朗報である。
「トモシンセシス」は造語で、「断層合成」という意味。これまでの乳房X線撮影装置・マンモグラフィーは、乳房を上や斜めから1枚ずつ撮影するだけで、日本女性に多い高濃度乳腺(にゅうせん)全体が白く写り、その中に白く写る「病変」を発見しにくかった。
今回の新鋭機は、上や斜めから角度を変えて、15回も照射・撮影し、コンピュータが乳房内のデータを解析・再構築する。例えば照射・撮影時の圧迫した乳房の厚みが約3センチの場合、平面データ(断層像)は約40枚となる。
これにより医師は、この精密なデータを基に、正常乳腺と「病変」との識別が容易になり、スピーディーに判断できることになった。また、女性たちの「被ばくの低減」や「撮像時間の短縮」などの長所も兼ね備えている。
同病院の平成29年(2017)1年間の乳がん検診件数は1659件。新鋭機は2月13日から診療使用を開始。4月1日からは検診使用の予定。撮影の際は、放射線科前の廊下わきの「マンモ撮影・待合室」で、側壁のモニターで「マンモ撮影の進め方」を見て、穏やかに心を整え、待つことになる。
同病院放射線科の國眼勇(こくがん・いさむ)技師長や診療放射線技師の藪下紗弥香(やぶした・さやか)さんは「この新鋭機で早期発見できる」と喜び、梅村センター長は「乳がんは早期発見でほとんど治ります。新鋭機・トモシンセシスは、すごい撮影威力を発揮しますので、これまでの辛いMRI(磁気共鳴画像)検査なども不要になることでしょう」と話していた。
写真(上)は紀和病院が導入した最新鋭の乳房X線撮影装置マンモグラフィー「トモシンセシス」と梅村センター長、藪下・診療放射線技師。写真(中)は撮影前にモニターで撮影方法を見る「マンモ撮影・待合室」。写真(下)は新鋭機のデータを基に「病変」発見に努める梅村センター長=紀和病院「紀和ブレスト(乳腺)センター」で。


更新日:2018年2月28日 水曜日 00:00

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