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花嫁姿うるわしく♪日本髪・撮影会~丹生都比売神社
京都の花街でも数少ない結髪師(けっぱつし)、和歌山県かつらぎ町笠田東の「かみゆい処 タエ」の小森富代(こもり・とみよ)さん(50)は、11月19日、同町上天野の世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社=丹生晃市(にう・こういち)宮司=で、自ら髪を結った花嫁とその家族ら5人を登場させ、「日本髪 撮影会」を開いた。プロ・アマ含めて、約120人のカメラマンが駆けつけ、さまざまなアングルから盛んにシャッターを切り、参拝・観光客も思わずスマホ撮影を楽しんでいた。
この日午前6時、花嫁役の高田祐唯(たかだ・ゆい)さんや母親役、妹役の計5人が「かみゆい処 タエ」に集合。小森富代さんが丹精込めて、櫛(くし)や鬢付(びんつ)け、髪飾りなどで、美しい日本髪を結い上げ、経験豊かな母・多恵子(たえこ)さん(74)が、艶(あで)やかに着付けを担当した。
花嫁ら5人は午後1時前、タクシーで同神社に到着。神職の案内で、豊臣秀吉の側室・淀君(よどぎみ=茶々)が寄進したと伝わる、同神社・鏡池の弁柄色(べんがらいろ)の輪橋(りんきょう)わきを歩き、先ず手水舎(てみずしゃ)で、柄杓(ひしゃく)を使って手を洗い、掌(てのひら)の水で口をすすいだ。
さらに参道から石段をのぼり、楼門内から本殿に向かって二礼二拍手一礼。花嫁と母の2人は、手をつなぎ、再び輪橋周辺に移動すると、家族連れで訪れた子供たちは、その色艶やかな姿に目をぱちくり。花嫁は思わず「可愛いね」とほほえむ。
一方、中辻有香(なかつじ・ゆか)さんら妹役3人は、楼門前や境内を散策。同神社にしか見られない佇(たたず)まいの、今を盛りの紅葉(もみじ)風景に溶け込んでいた。
この間、いろんな新鋭カメラを持つプロやアマチュアカメラマンが、花嫁と母、妹を取り巻き、立ち位置や顔の向き、「にっこりしてね」などのお願いをしながら、あわただしくも和やかに撮影を続けていた。
この「日本髪 撮影会」は、日本髪を写真で次世代に伝えようと、3年前から毎年春秋に開催。今回が6回目で、同神社では初めて。
小森さんは母・多恵子さんと共に「この神聖な場所で、素敵な日本髪をアピールできたのは、丹生宮司さんの温かいご理解のお陰です」と心から感謝。花嫁たちの立居振舞(たちいふるま)を遠目で見守りながら、「あの鬢付(びんつ)けって素晴らしい。きょうは風が強くて、紅葉が散るほどなのに、髪はびくともしていない」と喜び、「この日本髪の撮影会、できれば将来も続けたい」と話していた。
写真(上)は丹生都比売神社の手水舎で手や口を清める花嫁と母親役の女性。写真(中)は同神社・楼門前で花嫁の3人の妹を撮影する大勢のカメラマンたち。写真(下)は可愛い目で見上げる子供と笑顔で応じる花嫁役の高田さん。