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高さ3mの竪穴建物!中飯降遺跡説明~文化財大切に

和歌山県かつらぎ町教育委員会は2月24日、西日本最大級の縄文時代の大型竪穴建物の「中飯降(なかいぶり)遺跡・現地学習会」を開いた。和田大作(わだ・だいさく)学芸員は、当時の建物の巨大さとともに、遺跡密度の高さなどを紹介し、「文化財を大切に」と呼びかけた。
町教委の説明によると、中飯降遺跡は縄文時代後期~奈良時代の集落遺跡で、同町中飯降の紀の川北岸の低位段丘面に広がる。
平成20~21年度に京奈和自動車道建設に伴う発掘調査で4棟の竪穴建物跡(径15~18メートル)が発見され、うち1棟の建物跡を東約30メートルに移設・復元した。
その建物の存在時期は、出土した土器から縄文時代後期(約4000年前)で、柱穴の大きさや石で柱を根固めしていることなどから、高さ約12メートル、広さ約180平方メートルの巨大な規模だったと考えられている。
この日、京奈和道の真下に移設・復元された中飯降遺跡の説明会では、受付に大型建物の北側から検出された「屋外の埋設土器」を展示。参加者30人以上がしばらく見入った。
和田学芸員はマイク片手に「この遺跡周辺には西飯降遺跡や丁ノ町・妙寺遺跡があり、縄文時代から中世までの集落跡が発見され、町内でもとくに遺跡密度が高いです」と説明。
「これが巨大な柱跡である主柱穴(しゅちゅうけつ)、ここが入口と見られる台状遺構、あそこは竪穴内周にテラス状の段がある」などと紹介した。
この後、遺構見学が行われ、参加者らはおそるおそる遺構を踏みしめながら、縄文時代にタイムスリップ。小学3年の男の子を伴ってきた家族連れは「この場所は昔から山河の風景が美しく、自然災害の少ないところ。やっぱり太古の昔から、歴史・文化でいっぱいかと思う」と話していた。
写真(上)は和田学芸員から中飯降遺跡の現地説明を受ける参加者たち。写真(中)は学習会で披露された「屋外の埋設土器」。写真(下)は西日本最大級の縄文時代の竪穴建物(中飯降遺跡)のイメージ図=案内板より。


更新日:2019年2月25日 月曜日 00:01

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