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驚きの山車巡行…♪江戸時代から?河根丹生神社

和歌山県九度山町河根の河根丹生神社の「山車(だんじり)巡行」が11月5日、地元住民ら約50人が参加して行われた。舞台は山深い昔の高野参詣道の不動坂道で、この山車巡行の歴史は、江戸時代からの伝統行事とも考えられる。主催する同神社氏子らでつくる「昭和会」の上土屋幸修(うえつちや・ゆきのぶ)会長(47)は「毎年1度、みんなの心が一つになる日。この素晴らしさを次世代に伝えたい」と話していた。
山車は高さ・長さ約3メートル、幅2メートル。全体はヒノキ製で、彫刻はケヤキ製。土台部分に木駒(きごま)4輪を取り付け、大屋根と小屋根を梁(はり)柱で構築、龍や鳥獣の彫刻で飾っている。
九度山町教育委員会の調査によると、昭和7年(1932)の同神社・正遷宮で「昭和会」がつくられ、秋祭りを実施してきた。山車は元々使われてきた部材を活用して復元した。その部材の模様や風化程度から、この山車巡行は江戸時代中期から続いてきたとも推定されている。
この日、玉川(紀伊丹生川)流域の河根、河根峠、硯水(すずりみず)、繁野(しげの)の4地域住民や、秋祭りで里帰りした親子らが参集。高野参詣道「不動坂道」は険しい急坂で、巡行距離は6・3キロ、高低差累計は306メートルに及ぶが、山車は同神社を出発して、4地域を元気よく巡行した。
山車は大小の太鼓、鉦の音も楽しく、背中に「祭」と染め抜いた、ハッピ姿の大人や子供たちが、「よーい、そーら」の掛け声も高らかに綱を引く。河根丹生神社では、担ぎ棒に肩をあてて担ぎ、にぎやかにお練りをした。
この山車には大阪・岸和田の地車(だんじり)のような、ブレーキ役の前梃子(まえてこ)も、舵取(かじと)り役の後ろ梃子もなく、坂道のブレーキは綱で引っ張り、方向転換は担ぎ棒で操作する。
さすがに地元住民は慣れたもので、巧みに山車の進行方向をあやつり、威勢のいい声が、周囲の山川に響いていた。
上土屋会長は「この秋祭りを10月22日(日)に予定していましたが、2度の台風接近により、2週間の延期となりました。きょうは絶好の秋日和に恵まれ、皆さんの心が一つになれました」と喜んでいた。
写真(上)は河根丹生神社の境内を練る伝統の山車。写真(中、下)は急坂をのぼる同神社秋祭りの山車。


更新日:2017年11月6日 月曜日 00:00

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