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前畑秀子のすべて♪写真・動画・音声~朝ドラ誘致室
日本人女性初のオリンピック水泳金メダリスト・前畑秀子(まえはた・ひでこ)さんのふる里である和歌山県橋本市は、今春、その人生ドラマを〝NHK朝ドラ〟で放送してもらおうと、同市橋本1丁目の紀の川橋本橋北詰の国道24号交差点近くに「朝ドラ誘致室」=森中寛仁(もりなか・ひろひと)室長=を新設し、そこで常設展「前畑秀子のすべて」を開催している。観覧無料。
前畑さんは大正3年(1914)橋本町(現・橋本市)出身。昭和7年(1932)にロサンゼルス五輪・女子200メートル平泳ぎで銀メダル。さらに厳しい鍛錬を重ねて、昭和11年(1936)のベルリンオリンピック同競技で金メダルを獲得。日本国民に感銘を与えた橋本市名誉市民。
前畑さんは幼少の頃から、自宅近くの紀の川で水泳を覚え、その後、名古屋市の椙山(すぎやま)女学園で鍛錬。五輪・金メダル獲得の後、岐阜市の開業医と結婚、育児・病院手伝い、水泳指導を実践。平成7年(1995)80歳の生涯を閉じた。
朝ドラ誘致室は4月3日に開設。プレハブ平屋(約60平方メートル)で、室内に橋本市まちの歴史資料保存会の展示場(付属橋本まちかど博物館)を設置。そこに朝ドラ誘致のPR幟旗(のほりばた)を立て、前畑さんの写真、新聞記事、レコード、記録動画など約60点を展示している。
例えば「橋本小学校・前畑秀子の面影と市内の前畑遺跡」のタイトルで、全国制覇の水着姿や優勝旗、同市古佐田墓地にある前畑家の墓碑、母の碑の写真・資料、小学校卒業証書などを出展。
「ロス・ベルリン両オリンピックと椙山女学園」の題では、ベルリンオリンピック200メートル平泳ぎで金メダルを獲得する瞬間の光景や、歓喜あふれる家族の表情、橋本駅前広場で繰り広げられる祝勝・提灯行列などの写真、「東京オリンピック招致の歴史」では、浪花節・水上日本の名花一輪「頑張れ!前畑」=天中軒雲月(てんちゅうけん・うんげつ)=など、前畑さん関係の4枚を含む合計13枚のレコード、「オリンピック招致・日本に凱歌(がいか)」(昭和11年)などの古新聞を掲示している。
一方、NHKの河西三省(かさい・さんせい)アナウンサーが、「前畑ガンバレ、前畑ガンバレ」と20回以上も連呼し、最後には「前畑勝った、前畑勝った、勝った、勝った、勝った…」と叫び続けた、放送界の歴史にも残る放送中継音声レコードや、NHKが放映した「尾張物語 清州プール」の映像なども用意。
希望者には、室員がその場で、音声や映像を披露。NHK朝ドラ誘致運動の署名を頼むとともに、前畑さんのイラスト入り缶バッジをプレゼントしている。
もちろん同展では、ロスやベルリン五輪に前畑さんと共に出場して入賞した同郷の小島一枝(こじま・かずえ)さんや守岡初子(もりおか・はつこ)さん、戦後のメルボルン・オリンピック200メートル平泳ぎで世界新記録で優勝を飾った古川勝(ふるかわ・まさる)さん=橋本市名誉市民=の資料も揃えている。
同室の鈴江利夫(すずえ・としお)さんは「ぜひ、橋本の先人の活躍ぶりをご覧になり、朝ドラ誘致運動にも協力してください」とアピールしている。
朝ドラ誘致室は平日の午前8時30分~午後5時までオープン。土曜、日曜、祝日は休み。
写真(上)はベルリンオリンピック女子200メートル平泳ぎでベネンガー選手(手前)を引き離して優勝する前畑さんの瞬間の光景。写真(中)は前畑さんの動画や音声も紹介してもらえる朝ドラ誘致室。写真(下)は念願のオリンピック優勝を果たして満面笑みの前畑さん。