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前畑秀子の人生ドラマ♪朝ドラ誘致室・資料展示替え
日本人女性初のオリンピック水泳金メダリスト・前畑秀子(まえはた・ひでこ)さんのふる里、和歌山県橋本市橋本に新設された朝ドラ誘致室=本紙・既報=で、このほど展示資料がリニューアルされた。前畑さんを育んだ往時の紀の川の写真や、前畑さんの家族アルバム、活躍を讃える書画などが並んでおり、同誘致室では「多くの方々に前畑さんの人生ドラマを知ってほしい」と観覧を呼びかけている。6月末まで。観覧無料。
前畑さんは大正3年(1914)橋本町(現・橋本市)出身。昭和7年(1932)にロサンゼルス五輪・女子200メートル平泳ぎで銀メダル。さらに厳しい鍛錬を重ねて、昭和11年(1936)のベルリンオリンピック同競技で金メダルを獲得。日本国民に感銘を与えた橋本市名誉市民。
前畑さんは子供の頃から、自宅近くの紀の川で水泳を覚え、その後、名古屋市の椙山(すぎやま)女学園で鍛錬。五輪・金メダル獲得の後、岐阜市の開業医と結婚、育児・病院手伝い、水泳指導を実践。平成7年(1995)80歳の生涯を閉じた。
今回、同誘致室の「前畑秀子資料展示コーナー」の展示資料約60点のうち、約40点を入れ替えた。
壁面には昔の紀の川や橋本駅前の風景写真や、詩人で書画家の越雪彦(こし・ゆきひこ)氏(故人)から贈られた河童(かっぱ)の書画、水着姿の前畑さんの大写しの写真などを掲示。
展示ケースには、前畑さんの橋本尋常高等小学校6年生の通知簿、全米女子水上競技選手権大会の地元住民の餞別(せんべつ)帳、兵藤家(前畑さんの嫁ぎ先)アルバムなどが並ぶ。
河童の書画には、「なぐはしき(名高き) 君としいへば ベルリンの あげし み旗の くれなゐ 思ほゆ」と書かれ、兵藤家アルバム(昭和20年代)には、主人と2人の愛児らとともに冬はスキー場、夏は海水浴場で、仲睦まじい光景が収められている。
一方、放送界の歴史に残る前畑さん優勝時のNHK「放送中継音声レコード」や、NHKが放映した「尾張物語 清州プール」の映像などを用意。希望者には、職員が音声や映像を披露している。
今後は7月以降、2か月ごとに展示替えの予定。同誘致室の鈴江利夫(すずえ・としお)さんは「JR・南海橋本駅で乗り降りする観光客や、誘致室前の国道を往き来するドライバー、世界遺産・黒河道へ向かうハイカーらが次々と立ち寄り、前畑さんの素晴らしさを感じて、驚かれています」と説明。
橋本市まちの歴史資料保存会の谷口善志郎(たにぐち・よしお)さんは「ぜひ、前畑さんのふる里で、前畑さんの資料を通じて、その生涯を思い起こし、その活躍ぶりを感じてください」と呼びかけている。
同誘致室は同市橋本1丁目1の8、紀の川・橋本橋北詰の国道24号交差点の南東角にある。開催時間は午前8時30分~午後5時。土曜・日曜・祝日は休館。但し、事前連絡により観覧OK=連絡先は橋本市まちの歴史資料保存会事務局(鈴江さん=090・7964・4238)へ。
写真(上)はリニューアルされた朝ドラ誘致室・前畑秀子資料展示コーナー。写真(中)は越雪彦氏から前畑さんに贈られた河童の書画。写真(下)は前畑さんの動画や音声も紹介してもらえる朝ドラ誘致室。