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世界遺産に高野参詣4道♪再生保存会バンザイ三唱
和歌山県橋本・伊都地方の高野山参詣道4道などが、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で、「世界遺産」(紀伊山地の霊場と参詣道)に追加登録されることが決定した10月24日夕刻、橋本市の和歌山県伊都振興局1階ロビーで、追加登録運動を展開してきた同地方の有志でつくる「高野七口再生保存会」=池田和夫(いけだ・かずお)会長=の会員ら約20人が参集、バンザイを三唱して祝った。
追加登録されたのは、高野参詣道の「黒河道(くろこみち)」(橋本市、九度山町、高野町)、「三谷坂」(かつらぎ町)「不動坂」(高野町)、「女人道(にょにんみち)」(同)の4道など、熊野参詣道を合わせた県内22か所(計40・1キロ)。
「黒河道」は定福寺~五軒畑岩掛観音~明神ヶ田和~市平橋~林道合流~久保小学校~茶堂跡~粉撞(子継)峠~女人堂跡間の約16キロで、橋本市の世界遺産登録は初めて。
高野七口再生保存会は平成25年6月に発足。全員心を一つにして、高野山の7つの入口に通じる高野参詣道のうち、まだ世界遺産に登録されていない4道の調査・研究、草刈や道路整備に働いてきた。
この日、午後6時40分頃、伊都振興局1階の1室で待機する藤森弘之(ふじもり・ひろゆき)振興局長に追加登録決定の朗報が電話で届いた。同部屋で待ちかまえていた会員らは「やった」「よかった」と立ち上がり、「バンザイ」を三唱、大拍手。夕刻のまちに歓声が洩れた。
会員や県関係者らはロビーに移動。「祝 世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』追加登録決定」と染め抜いた幟旗(のぼりばた)を立て、壁面に掲示した「高野参詣道マップ」(マグネットシート、高さ約1・8メートル、幅約4メートル)を除幕。再びバンザイ三唱で祝った。
同会副会長で「黒河の会」の山本一清(やまもと・かずきよ)会長や、同会副会長で橋本語り部の会の森脇稔(もりわき・みのる)さんらは「しっかり郷土を盛り上げよう」「皆さんに高野参詣道のよさを体感してもらおう」とにこにこ。
池田会長は「世界遺産追加4道の歴史的な良さを後世に伝承したい。観光振興にもつながるので、県内外の多くの人々に歩いていただきたい」と希望を述べていた。
なお、12月4日(日)午後1時から、橋本市東家の橋本市民会館で、この追加登録の「記念式典」と「歴史講演・座談会」(和歌山県世界遺産高野地域協議会主催)が開催される。紀北で大活躍中の和太鼓「鼓舞(こぶ)」がオープニング演奏。歴史講演は探検家でラジオパーソナリティーの馬場章夫(ばんば・ふみお)さん、座談会は馬場さん、高野山真言宗宗務総長で金剛峯寺執行長の添田隆昭(そえだ・りゅうしょう)さん、和歌山県世界遺産センター長の辻林浩(つじばやし・ひろし)さんが対談する。入場無料。申込不要(先着順)。手話通訳あり。
写真(上)は高野参詣4道などの追加登録決定を聞いた瞬間、大拍手して喜ぶ高野七口再生保存会会員らの感激ぶり。写真(中)は世界遺産追加登録の決定を電話で受けて顔をほころばせる藤森・伊都振興局長。写真(下)は伊都振興局1階ロビーで改めてバンザイ三唱で祝う高野七口再生保存会の皆さん。