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いざ!大坂の陣・出陣~九度山・町家の人形めぐり
NHK大河ドラマ「真田丸」で盛り上がる真田幸村(信繁)ゆかりの和歌山県九度山町で4月1日、家々に五月人形や雛人形を飾り、観光客に見てもらう第8回「町家(まちや)の人形めぐり」が開幕した。開催期間は名物「真田祭り」(5月7、8両日)まで続き〝幸村の里〟は大いに賑わいそう。九度山住民クラブの阪井賢三(さかい・けんぞう)代表は「私たち住民グループは仲良く交流し、真田物語の里を伝えようと頑張っています。ぜひ遊びにきてください」と呼びかけている。
今回の「人形めぐり」の目玉は、南海高野線・九度山駅~紀の川・九度山橋の「真田のみち」(商店街)の真田いこい茶屋の東隣の特設展示場に飾られた「戦国ジオラマ・冬の陣 大坂城と真田丸」。
大坂城は4層屋根で、高さ約1・5メートル、屋根の最大幅は約1・1メートル。天守閣など4層屋根は、計6000枚の屋根瓦(金色の布)を貼り、周囲には石垣や内堀などを設置。その城郭内では、真田幸村と嫡男・大助、猿飛佐助ら真田十勇士が、颯爽と馬にまたがり、出陣する光景を表現している。
近くには、幸村が築いた大坂城の出城「真田丸」を構築。そこには「戦国ジオラマ・冬の陣 大坂城と真田丸」を制作した「手作甲冑(てづくりかっちゅう)紀州九度山真田隊」メンバー全員の鎧兜(よろいかぶと)姿の写真を切り抜き、軸を付けて飾った。
そばには「真田軍」と大書した場所から鉄砲を構え、「徳川軍」の場所に並んだ的を倒す「射的遊び場」も設営。5発300円で、的中者に幸村イラスト缶が贈られる。このほかオリジナルな「真田つるし飾り」(1本800円)、「厄除けもち花」(2本組み500円)なども展示。「スタンプめぐり」では、六文銭手ぬぐい(1枚350円)を記念スタンプで飾る。
この日午前10時、特設展示場には、九度山町の岡本章(おかもと・あきら)町長、阪井代表、甲冑姿の同真田隊の梅下修平(うめした・しゅうへい)隊長ら約20人が参集。大切な手作り甲冑は昨年の火災で焼失したが、岡本町長は「皆さんの努力で見事に復興された」と称賛。「九度山の落ち着いた魅力ある空間と、皆さんのこの頑張りを全国にアピールしたい」と挨拶。全員で「エイエイオー」と勝鬨(かちどき)を上げて、人形めぐりがスタートした。
断続的に降る雨の中、観光客らは同特設展示場で楽しんだ後、真田の〝赤備え〟の提灯や旗、真田吊るし飾りの「真田のみち」周辺を歩き、民家50数軒に飾られた武者人形や雛人形などを観覧して、戦国ロマンを味わっていた。
大阪府堺市から訪れた会社員・益弘裕(ますひろ・ひろし)さん、登美子(とみこ)さん夫婦は「主君に対する信繁の忠義、勇猛ぶりがいいですね。私たちは大の真田ファン、この大坂城のジオラマ、よく出来ていて、うれしいです」と見上げていた。
4月3日午後1時からは、同町の入郷児童館で甲冑姿や姫姿、忍者姿の「着付け体験」を開催。同真田隊とともに〝まちなか〟を歩き、その仮装写真は、出城「真田丸」に飾られる。参加費1人2000円。同真田隊の西辻香(にしつじ・かおり)副隊長は「いい記念になると思います」と体験をすすめている。
写真(上)は見事なジオラマの大坂城。写真(中)はジオラマ大坂城を制作した「手作甲冑紀州九度山真田隊」メンバーの写真が飾られた「真田丸」。写真(下)は勝鬨を上げる阪井代表=左=と梅下隊長。