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城山・長藪城跡を見学♪~城山小6年生ふるさと学習

和歌山県橋本市城山台の市立城山小学校=林民和(はやし・たみかず)校長=の6年生児童は、校名にある「城山」とは何かを知ろうと、11月24日、地元の城山に登り、中世の「長藪城跡(ながやぶじょうせき)めぐり」を行った。「城山の長藪城跡」については、橋本市民でさえほとんど知らず、同校は地元ボランティアの協力により、昨年秋から「ふるさと学習」として城跡めぐりを実施、今年で2回目。林校長は「子どもたちは古里の長藪城跡を五感で感じ取り、素晴らしい一日となりました。今後の成長の基礎となります」と喜んでいた。
この日、6年生56人とNPO法人ネットワーキング紀北や学校評議員、PTA、安全ボランティアら約20人が同校視聴覚室に参集。
講師の城郭研究家・吉田亘(よしだ・わたる)さんが「城山は3つの山から成り、出城跡は標高300メートル、西の城と東の城の城跡は同347メートル」と切り出し、「長藪城は、守護・畠山氏に仕えた牲川義春(にえがわ・よしはる)氏が、文明年間(1469~86)に奈良・十津川の野武士を集めて築城した。城郭の総延長は約1キロに及び、その規模は紀北第1級、紀伊国最大級とも称される」と強調。
長藪城は山の尾根伝いに堀切(ほりきり)を設けて、迫る敵兵を防いだり、城内に入ったところを桝形(ますがた)に囲って、進入した敵兵を弓矢、鉄砲で防いだりしたことなどを説明した。
この後、児童らは3班に分かれて同校を出発。城山台の住宅地から、樹林が生い茂る「城山」に分け入り、先ず出城跡を見学。次に西の城跡を見た後、シートを敷いて座り、自然と堆積した歴史の中で、持参の弁当を味わった。
さらに今回初めて東の城跡も見学。途中、児童は転びはしたが、誰ひとりケガすることなく、無事に帰校。この間、児童らは吉田さんの話にしっかり耳を傾け、学校近くに県内最大級の山城跡があることを心に刻んだ。
紀見サポートクラブのメンバー・重入正彦(しげいり・まさひこ)さんは「子どもたちは、初めは吉田さんの話を真剣に聞いていましたが、そのうち自分たちで率先して城跡を見出すようになり、ついには出発するときよりも、帰校時の表情の方が生き生きしていました」と、その学習効果を話した。
NPO法人ネットワーキング紀北の浅井徹(あさい・とおる)副理事長は「地元ボランティアの方々が、城跡めぐりしやすいいように、城山の道普請(みちぶしん)や草刈などに働いてきました。きょうは曇天(どんてん)でしたが、幸い一滴の雨も降らず、子どもたちは楽しい一日を過ごせたと思います」と感想を述べた。
林校長は「子どもたちは城山の意味、その歴史、地元住民のサポートのやさしさ、いろんなことを体感できたと思います。この素晴らしい感激、ぜひ後輩に伝承してほしいです」と語った。
写真(上)は城山の山中で吉田さんから長藪城跡の説明を聴く城山小学校の児童たち。写真(中)は城山の遠景。写真(下)は城山・西の城跡周辺で昼食を味わう児童たち=写真は重入正彦さん撮影。


更新日:2015年11月25日 水曜日 00:00

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