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写真展「高野山の四季」開幕~世界遺産登録10周年
高野山の世界遺産登録10周年を記念する写真展「高野山の四季」=フォトライター・北森久雄(きたもり・ひさお)さん撮影作品=が、10月28日、和歌山県橋本市の伊都振興局1階・県民ホールで始まった。北森さんは「来春の高野山開創1200年記念大法会を控えて、この機会に高野山の自然、宗教行事の風景などをご覧ください」と言っている。鑑賞無料。
今回、展示されたのは、A4判サイズのカラー作品で、いずれも額入りの計31枚。例えば、世界遺産登録の際、高野山・金剛峯寺の高僧や町長ら関係者による「記念塔の除幕式」、白煙を上げながら3少年が疾走する「炬火リレー」など、10年前の記録的な写真をはじめ、「伽藍(がらん)を巡拝する修行僧」や「蛇腹道(じゃばらみち)の紅葉」、「北向き地蔵尊と群薄(むれすすき)」など、山内の秋の風景、朱塗りの「丹生都比売(にうつひめ)神社の鳥居と楼門」や、山門から見た「慈尊院の多宝塔」など、高野山麓の神社仏閣のたたずまいを活写している。
また、会場では37インチのモニターで、鮮明なスライドショーを行い、展示作品を含む約200枚の作品を次々と紹介。自由に感銘ぶりを記入できる「感想ノート」や、持ち帰り自由の高野山関係のパンフレットも置いている。
今回の同展の初回は「秋の高野地域と紅葉の高野山」としたが、その後は「冬の高野地域と雪景色の高野山」、「春の高野地域と花の高野山」、「夏の高野地域と新緑の高野山」と、順次、タイトルを変えて、作品を入れ替えることにするという。
この写真展は伊都振興局が企画。高野山関連の写真を数多く撮影・保存している北森さんに、作品提供を依頼して実現した。
入谷和也(いりたに・かずや)総務県民課長は、「世界遺産登録の後、国内外から参拝・観光客が増えていますが、県・市・町は、旧参詣道である黒河道(くろこみち)などの〝拡大登録〟を目指しています。丹生都比売神社や慈尊院はもちろんのこと、黒河道などの山麓の素晴らしさも知ってほしいです」と期待。北森さんは「過去の写真も含めながら、新しい高野山、そして山麓の風景も撮影しながら、出展していきたい」と張り切っている。
写真(上、中)は和歌山県伊都振興局1階・県民ホールで始まった写真展「高野山の四季」。写真(下)は展示写真を含め約200枚の写真を紹介するスライドショー。