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土井富久子さんに近畿農政局長賞~女性の農業貢献
女性の立場から農業改善に貢献したとして、和歌山県かつらぎ町のNPO法人「かつらぎフルーツ王国振興公社」監事・土井富久子(どい・ふくこ)さん(68)が「近畿農政局長賞」を受賞した。10月27日、和歌山県伊都振興局に古田雅昭(ふるた・まさあき)局長を表敬訪問した土井さんは、「今は高齢者が多い過疎地に農産物や日用品を届けています」と実情を報告し、古田局長は「これからも郷土のために、ご活躍をお願いします」と、謝辞を述べた。
この「近畿農政局長賞」は、正式には男女共同参画優良事例・社会参画部門の表彰。土井さんは、昭和43年(1968)、結婚を契機に本格的に就農。かつらぎ町農協に生産婦人部を結成して、地域農産物の利活用、農家の健康管理など、リーダーシップを発揮。講師として研修を行うなど、農業女性の能力向上、社会参画推進に尽力している。
また、紀北川上農協女性会「かつらぎの里」直売所を立ち上げたり、フルーツ王国振興公社直営のかつらぎ温泉「八風の湯」かつらぎ産品販売所をきりもりしたり。伊都地方農業士連絡協議会・副会長や同農業士会・女性部会長なども歴任して、同21年(2009)には和歌山県農林水産業賞も受賞している。
この日、伊都振興局長・応接室で、古田局長が「伊都地方の女性が受賞されて、こんなにうれしいことはありません」と讃えると、土井さんは「昔はよく〝女のくせに〟とか〝女だてらに〟と言われました」と前置き。
最近は「かつらぎ町の過疎地で、毎月1回、魚や野菜、日用品を販売しています。そうすると皆さんは〝女性がきてくれてうれしい〟と言ってくれるんですよ。12月からは、毎月2回に増やすつもりです」とにっこり。
とくに農業の後継者難の中で、「私の長女夫婦が、農業の後継者となってくれたこと。これが私の一番の誇りです」と喜びを語っていた。
写真(上)の1枚目は柿料理を指導する土井さん。2枚目は講演する土井さん。写真(中)は古田局長に受賞報告する土井さん=左。写真(下)は直売所で活躍する土井さん=受賞報告の写真以外は伊都振興局提供。