ニュース & 話題

寄贈本で新文庫~あやの台小~先輩児童が読み聞かせ

和歌山県橋本市あやの台、市立あやの台小学校=佐藤昌吾(さとう・しょうご)校長=は10月23日、児童ら手作りの本棚に〝善意の寄贈本〟を並べた「ひまわり文庫」をオープン。6年生が連日、低学年児童に〝読み聞かせ会〟を開くとともに、〝図書の持ち帰り自由、自己責任で返却する〟という新ルールで運営する。佐藤校長は「この自由な〝ひまわり文庫〟から、子供たちは、大切なことを学んでくれるはず」と期待している。
「ひまわり文庫」は、同校1階と2階に、6年生児童27人が、橋本ひだまり倶楽部の指導で製作した計5つの本棚(杉製=高さ1・2メートル、幅1・8メートル)を設置。そこに収めたのは小説、童話、図鑑、歴史マンガなど、いずれも児童向け図書ばかり。これはJR橋本駅の「ゆかいな図書館」=阪口繁昭(さかぐち・しげあき)世話人代表=が約300冊、保護者や地域の人たちが約340冊を寄贈した。
阪口代表は「全国から〝ゆかいな図書館〟に寄贈してくれた本の中から、子供たちにふさわしい本を選り分け、寄贈してくれた一人一人に承諾を求めたところ、全員〝それはいいことです〟と言ってくれました」と話した。
10月22日、6年生の児童全員が、1階フリースペースに集合。児童長の明貝柚葉(みょうかい・ゆずは)さん(11)が、阪口さんらに対し、「ありがとうございました」とお礼を述べ、阪口さんは「こんなに喜んでくれて、私もうれしいです」と挨拶。児童らは担任の小佐田博子(おさだ・ひろこ)教諭の指導で、図書を整理整頓しながら、丁寧に本棚に並べた。
「ひまわり文庫」オープン当日は、6年生児童が各学級で「本を破ったり落書きしたりしない」「本を必要以上にとらない」などのルールを説明。2限目の休憩時間(ロング)には、6年生児童が1、2年生児童に本を朗読、楽しんでもらう。
明貝さんは「ひまわり文庫」のネーミングについて、「ひまわりの花びらは私たち、ひまわりの種は図書で、種から美しい花を咲かせます。私たち6年生が話し合って、そう名付けました」と、わかりやすく説明。小佐田教諭は「子供たちの読書教育には、まだまだ図書が足りないので、もし、家庭で不要になった児童向け図書があれば、ぜひ、ご寄贈をお願いしたい」と話した。
阪口さんらが、JR橋本駅や市教委と相談、開設した「ゆかいな図書館」は、図書の持ち帰りが自由な、すべて何の手続きも要らない〝自己責任ルール〟で運営していて、作家・五木寛之さんも讃えるほどの図書館。佐藤校長は「読み聞かせは、読む6年生、聴く1、2年生で、そのどちらも勉強になるし、文庫の運営も〝ゆかいな図書館〟のように〝持ち帰り自由〟にすれば、譲り合いの心や責任感など、自ずと学んでいくことになるでしょう」と目を細めていた。
写真(上)は自分たち手作りの本棚に〝善意の寄贈本〟を並べる、あやの台小6年生児童たち。写真(中)は阪口代表=手前=にお礼を述べる、あやの台小学校・児童長の明貝さん。写真(下)は沢山の寄贈本を整理整頓・分類する同小6年生児童。


更新日:2014年10月23日 木曜日 00:05

関連記事

ページの先頭に戻る

  • 標準
  • 大
  • RSS
  • サイトマップ

検索

過去の記事