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皆さん図書寄贈ありがとう~あやの台小の児童たち

子供たちが読書に親しめるようにと、和歌山県橋本市あやの台の市立あやの台小学校が、新しい図書コーナーを設けようとしたところ、全国の〝善意の人々〟から図書の寄贈が相次ぎ、佐藤昌吾(さとう・しょうご)校長は、「とてもありがたい、必ず有効利用させていただきます」と喜んでいる。

あやの台小学校は、昨春、市立隅田小学校から分離して開校。児童数は285人。新築校舎は、玄関を入った正面に、教室よりも広い木造の床状スペースが広がり、その中央からは、これも幅広い階段が、ゆったりと2階へ続いている。

佐藤校長の話によると、この夏、この広い床状空間に長椅子を置いて、図書を並べたところ、普段、なかなか図書室へ行かなかった子供たちも、ここでは自由に、気軽に本を開いて、不思議なほど静かに読書している。佐藤校長は、子供たちのその集中力、その雰囲気に驚いたという。

そこで、6年生担任の小佐田博子(おさだ・ひろこ)教諭らは、この広い空間に、子供たち手作りの本棚を並べて、そこに図書を揃えたら、子供たちの読書熱も上がり、成長に役立つのではと考えた。

これを知った橋本市立恋野小学校の元校長で、橋本市図書館の宮井利明(みやい・としあき)館長が、JR橋本駅「ゆかいな図書館」世話人代表の阪口繁明(さかくぢ・しげあき)さんに対し、「あやの台小学校では、今、いい本を必要としています。何とか、子供向けの本を回してもらう訳にはいかないでしょうか」と相談した。

すると阪口さんは、全国の〝善意の人々〟から集まった寄贈本の中から、小学生にふさわしい絵本や童話、マンガなどを選別したうえ、関係する約30人の贈り主のひとり一人に電話をかけ、「小学生に読ませたいのですが」と相談したところ、贈り主からは「子供たちのためになるなら、必ず本も喜びます」という返事で、すべて快諾を得ることができた。

こうして阪口さんが数回に分けて運んだ図書は、ドキュメント・南極「タロ・ジロは生きていた」(菊池徹著・教育出版センター)、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(J・K、ローリング作、静山社)、「0マン」(手塚治虫著・中央公論社)など200冊以上にのぼる。これに保護者から寄贈された沢山の図書も加わり、同校・児童会の役員たちが図書を整理、下準備はほとんど整っている。

今後、あやの台小学校の6年生27人が、9月18日(木)の午後、同市北馬場の里山「ひだまりの郷」に集合。各自、手作りで本棚を制作し、これを校舎の床状スペースの一角に置いて、図書コーナーを設置、寄贈図書を並べることになる。

小佐田教諭は「雨の日や、ちょっとした空き時間に、気軽に本が読めたら、それは子供たちにとって、素晴らしい時間となります」と説明。阪口さんは「寄贈本が子供たちの役に立てば、〝善意の人々〟も、きっと喜んでくれます」と話していた。

写真(上)は寄贈本を手にして喜ぶあやの台小学校児童会・役員たち。写真(中)は図書コーナーを設置する予定のあやの台小学校の広域スペース。写真(下)は寄贈された子供向け図書の数々。


更新日:2014年9月4日 木曜日 00:06

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