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郷土の長藪城跡、児童ら現地学習へ~城山小が初実践

中世の「長藪城(ながやぶじょう)」の城跡が残る、和歌山県橋本市城山台の城山(標高347メートル)の麓(ふもと)にある橋本市立城山小学校=林民和(はやし・たみかず)校長=6年生児童は、今秋から〝ふるさと学習〟の一環として、自らの足で城山に登り、長藪城の歴史を現地学習することになった。学校評議員で、同学習に協力するNPO法人ネットワーキング紀北・副理事長の浅井徹(あさい・とおる)さんは、「この学習により、子供たちはいつまでも郷土のことを思い、地域の人々のことを思ってくれることでしょう」と喜んでいる。

城山の長藪城は、和歌山城郭調査研究会の吉田亘(よしだ・わたる)さんによると、守護・畠山氏に仕えた牲川義春(にえがわ・よしはる)が、文明年間(1469~86)に奈良・十津川の野武士を集めて築城。今は、城山(3つの峰)に東の城、西の城、出城の城跡が残されている。その歴史を知る人は少なく、自ら踏査した人は、ほとんどいない状態という。

そこで、城山小学校では、子供たちに「ふるさと学習」の一環として、城山と長藪城について、現地学習を実践することに決め、ネットワーキング紀北や紀見サポートクラブ、民生児童委員、自治会、保護者など、地域の人々も、子供たちが登山しやすいように、草刈りをするなど協力。現地学習当日も安全面などサポートすることになった。

第1回「長藪城の城跡めぐり」は、11月19日(水)午後1時40分、教諭2人の引率により、6年生の児童54人が学校を出発。吉田さんが長藪城の歴史、城跡の形状などについて現地説明する。また、これに先立つ同13日(木)午前11時40分からは、同小学校で事前研修を行い、万全を期すことにしている。

同小学校の向井敬二(むかい・けいじ)教頭は「学校名でもある城山のことを、ぜひ知っておいてほしいので、皆さんと相談しながら決めました。今後、6年生は必ず城山に登ることになります」と説明。浅井さんは「長藪城の歴史体験は、生涯の思い出になり、成長の基盤になることでしょう」と話していた。

写真(上)は三つの峰に長藪城=東の城、西の城、出城=があった城山の姿。写真(中)は城山にあった長藪城の模型=吉田亘さん制作。写真(下)は長藪城のあった城山の登山道を点検する浅井さん。


更新日:2014年10月17日 金曜日 00:00

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