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国体で大活躍を~投てき回収車を製作~紀北工高生

和歌山県立紀北工業高校・ものづくり研究部は、平成27年秋の「紀の国わかやま国体」のやり投げ、ハンマー投げ、円盤投げの投擲(とうてき)3競技で、回収係員に代わって活躍する「投てき回収ラジコンカー」2台を完成させた。このラジコンカーは9月6(土)、7(日)両日、和歌山市の県営紀三井寺陸上競技場で開かれる第82回「近畿陸上競技選手権大会」(紀の国わかやま国体リハーサル大会)に初登場、スタッフ並みに働くことになる。

同ラジコンカーは、四輪タイヤ上に、アルミ製の四角い台を置き、その上にやりを入れるパイプ、ハンマーを乗せるケース、円盤を収納する容器を設置した、いわば〝特殊小型トラック〟の形式(高さ約80センチ、長さ約120センチ、幅約70センチ)で、モーター&バッテリーを搭載。無線操縦により、自動車より素早く、前後左右に方向転換、前進後進し、スピード制御も自由に行い、最高時速は約18キロ、積載重量は約10キロの機能を備えている。

わかやま国体では、やり投げ、ハンマー投げ、円盤投げの3競技に登場。これまでは、選手が投げたやり、ハンマー、円盤を係員が回収してきたが、わかやま国体では、同研究部員がこのラジコンカーを無線操縦。車が落下地点まで走り、審判員がラジコンカーに、やり、ハンマー、円盤を乗せると、車は元の位置まで運搬、持ち帰ることになる。これにより、係員の安全が確保され、省力化にもつながることになる。

同研究部は今年8月、三重県・鈴鹿サーキットで開かれた「ソーラーカーレース鈴鹿2014」(国際自動車連盟代替エネルギーカップ)のチャレンジクラスに出場し、「紀北ソーラーカー」が7年ぶり2度目の優勝を飾るなど、工業技術研究でも、受賞多数を誇る有名校。

わかやま国体関係者から昨年、同校陸上部の市川貴浩(いちかわ・たかひろ)顧問を通じて、ラジコンカー製作の相談・依頼があり、ものづくり研究部員は、同年9月から設計・製作に着手、綿密に改良を重ねてきたという。

9月4日、地元の橋本市運動公園・陸上競技場で、同研究部顧問の中岡進(なかおか・すすむ)教諭や、市川顧問が見守る中、部員12人がラジコンカー操縦実験を行ったところ、車は芝生上を颯爽と走り回り、見事、投てき回収に成功した。

同研究部リーダーの2年生・林秀尚(はやし・ひでひさ)君(16)は、「全員協力して、夜遅くまで頑張り、いいマシンが完成しました。このラジコンカーはスピードが出るので、しっかり操縦訓練もして、わかやま国体では大いに活躍してもらいます」と張り切っていた。

写真(上)は走行実験する投擲回収ラジコンカー。写真(中)は同ラジコンカーで回収するハンマーや円盤。写真(下)は完成した投擲回収ラジコンカーと紀北工業高校・ものづくり研究部員たち=右端は中岡教諭、左端は市川・陸上部顧問。


更新日:2014年9月6日 土曜日 00:00

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