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紀北工高・ソーラーカー7年ぶり2度目の優勝飾る
和歌山県立紀北工業高校・ものづくり研究部の〝紀北ソーラー〟が、三重県・鈴鹿サーキットで開かれた、日本自動車連盟(JAF)など主催の「ソーラーカーレース鈴鹿2014」(国際自動車連盟代替エネルギーカップ)のチャレンジクラスで、7年ぶり2度目の優勝を飾り、同部の「スピリッツ・オブ 紀北」も「Eneー1 GP SUZUKA(エネワングランプリ鈴鹿)」で準優勝を果たした。
同チャレンジクラスは、ソーラーカー研究の一流企業・団体も参加する、エネルギー技術の非常に高い競技で、顧問の中岡進(なかおか・すすむ)教諭(56)は「ものづくり研究部のチームワークと、たゆまない技術研究による、いわば7年ぶりの復活であり、全員、2連覇に向けて気力がみなぎっています」と話した。
同大会は8月1、2日の両日開催。「チャレンジクラス」と「Eneー1 GP SUZUKA」の出場選手は、ドライバーを担当した中岡教諭と同部OBの宮下和広(みやした・かずひろ)さん(27)、同部OBの山本雅孝(やまもと・まさたか)さん(35)、ピット責任者を務めた2年生の林秀尚(はやし・ひでひさ)君、さらにピット担当の森本理加(もりもと・りか)さん、上英哉(うえ・ひでや)君、森岡優紀(もりおか・ゆうき)君、川口健斗(かわぐち・けんと)君、溝端悠人(みぞばた・ゆうと)君の計9人。
チャレンジクラスは、パネル発電機とバッテリーを搭載した「紀北ソーラー」が、超優良企業・団体などの7チーム7台と、全長5・807㌔のコースで、5時間の耐久レースを展開、その走行距離を競った。その結果「紀北ソーラー」は51周を完走し、2位に2周もの大差をつけて優勝を飾った。
中岡教諭は「私たちのソーラーカーは、モーターやコントローラー、バッテリーなど、改良に改良を重ねて出場しました。大会ではピット担当者が、適格にエネルギー使用と、操縦の速度調整を、ドライバーに無線連絡。素晴らしいチームワークが得た勝利です」と分析した。
一方、「Eneー1 GP SUZUKA」は、〝紅一点〟の森本さんが、充電式単3電池40本を搭載した「スピリッツ・オブ 紀北」の操縦を担当。1周5・807㌔の計3コースを走行、出場高校28台と合計走行タイムを競って準優勝を獲得。チャレンジクラス優勝に見事な花を添えた。
中岡教諭は「大会当日、ひどい雨に見舞われ、紀北ソーラーは、1度スピンしましたが、冷静沈着な部員たちの働きで、圧勝できました」と喜び、「今回、スピリッツ・オブ 紀北のドライバー役を立派にこなした女子部員・森本さんを、将来、紀北ソーラーのドライバーに養成しようと考えています」と期待する。
大会初出場の森本さんは「鈴鹿での走行は貴重な体験でした。そのうえ、優勝、準優勝には驚きました。この気持ちを大切にし、がんばりたい」と笑顔を見せていた。
写真(上)は優勝した紀北工業高校の「紀北ソーラー」と準優勝の「スピリッツ・オブ 紀北」と中岡教諭、ものづくり研究部員=同校で。写真(中)はスタート寸前の緊張感みなぎるソーラーカー。写真(下)は優勝・準優勝に大喜びの紀北工業高校・ものづくり研究部員たち=鈴鹿サーキットで=紀北工業高校・提供。