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前川さん「被爆の証言」に登場~広島~長崎原爆忌

大手電器会社を退職後、役者に変身した和歌山県橋本市城山台の前川潔(まえかわ・きよし)さん(66)は、広島原爆忌の8月6日から長崎原爆忌の同9日までの4日間、大阪市港区波除6の5の18、石炭倉庫で公演される〝あんがいおまる一座〟の「被爆の証言」に出演する。幾人もの被爆・体験者を演じる前川さんは、「舞台の上から、戦争の悲惨さと、平和の尊さを、しっかり訴えたい」、と稽古に追い込みをかけている。

あんがいおまる座長は、あの日、あの時、わたしたちはーー「被爆の証言」(大阪府原爆被害者協議会刊)をもとに、構成・脚本・演出を行い、前川さんのほか、ヨッシー原本(はらもと)、稲原良平(いなはら・りょうへい)、久木弥九蔵(くき・やくぞう)、岡戸淳子(おかと・じゅんこ)、山辺和美(やまべ・かずみ)、戸田育子(とだ・いくこ)、戸田果鈴(とだ・かりん)、吉田拓夢(よしだ・たくむ)、山根了子(やまね・りょうこ)の皆さんが出演する。

前川さんのセリフは、例えば「世界で唯一の被爆国、広島・長崎の被爆者の惨状は、思い起こすも凄惨(せいさん)そのものである」「資料館などに保存されているものの、現実のものとは程遠い」などと厳しく証言。なまなましく、迫真の演技を繰り広げながら、観客の心に反戦平和の大切さを伝えていくことになる。

あんがいおまる座長は「猛暑の中、戦争を意識せずにはおれません。広島と長崎の原爆については、とくに若い方々に知っていただきたく、学生・こどもは入場無料にしています」と、多くの来場を呼び掛けている。

上演日は8月6日(水)、同7日(木)、同8日(金)の3日間は午後6時半から、同9日(土)は午後2時からで、いずれも開場は開演の30分前となる。

料金は前売り2600円、当日3000円。学生・こどもは、前売り・当日とも無料。問い合わせは石炭倉庫(電話06・6581・0664)。チケット専用申し込みダイヤル(0120・3341・39)。

前川さんは、会社退職後の平成21年(2009)以降、高齢者福祉施設などで、紙芝居上演や童謡、青春歌謡などを披露、ボランティア活動を実践。
また、「新屋英子(しんや・ひでこ)一座公演「天翔(あまかけ)る紅い鳥」で民衆の長老役を演じたほか、「戦う兵隊」で陸軍報道部長など次々、名演技を見せ、今や人気役者の一人。

大阪や和歌山市で落語「煮売り屋(にうりや)」「初天神」の話芸を披露。素人集団・橋本ちんどん笑会でも、地方イベントで口上を述べて、まちの活性化に一役買っている。

前川さんは「今では第二次世界大戦も広島、長崎の原爆忌も知らない世代が増えています。二度と愚かな戦争を繰り返さないためにも、原爆投下の愚かさを次世代に語り継ぎましょう」と訴えている。

一方、これに関連した催しとしては、8月1日(金)~8月6日、大阪市中央区北浜東3の14、大阪府立労働センター9階(エル・おおさか)ギャラリーで、「原爆被災写真展」(大阪府原爆被害者支援協会主催)が開催される。

時間は午前10時~午後6時半(最終日は午後1時まで)。入場無料。問い合わせは同ギャラリー(電話06・6942・0001)へ。

写真(上)は「被爆の証言」に出演する前川さん。写真(中)の左は広島原爆、右は長崎原爆の光景=「原爆被災写真展」チラシより。写真(下)はかつて「男三人」の画家役を得んじた前川さん=左。


更新日:2014年7月31日 木曜日 00:00

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