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泥んこ田植え楽しいな♪~日本の原風景・橋本の棚田
子供たちに農業の素晴らしさを知ってもらおうと、〝日本の原風景〟が残る和歌山県橋本市柱本の里山の棚田で6月8日、「田植え体験」が催され、和歌山市や近府県から家族連れら100人が参加して、約450年前に開拓された歴史的な棚田で、昔ながらの田植え体験を楽しんだ。
柱本田園自然環境保全会が主催、はしもと里山保全アクションチームが後援し、今年で3回目。
この日、芋谷川流域の空地に、応募者240人の中から、抽選で選ばれた家族連れら100人と、主催・後援関係者や地元農家の人たち約50人が参集。
初めに柱本田園自然環境保全会の大原一志(おおはら・かずし)会長が、「卯の花の 匂う垣根に…」で始まる日本の童謡・唱歌「夏は来ぬ」(佐々木信綱作詞、小山作之助作曲)の2小節「さみだれの そそぐ山田に 早乙女が裳裾(もすそ)ぬらして 玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ」を紹介。「ここは、この歌にあるような、まさに日本の原風景。芋谷川流域には、原種の卯の花も咲いています。楽しんでください」と挨拶。柱本区の森脇清志(もりわき・きよし)区長が「皆さんの協力を得て、地域の活性化に取り組んでいます」と謝辞を述べた。
この後、子供たちは保護者らに見守られながら、3枚の水田(約2000平方メートル)で、泥んこになりながら田植え体験。畦から畦へ張られた細ヒモの目印をたよりに、指先に苗を合わせ持ち、根気よく植えていった。
昼食時間には、参加者に昨年収穫した棚田の米と、地元のジャガイモ、タマネギを使ったカレーライスを提供。子供たちは薫風の中、野鳥の声や芋谷川のせせらぎを聴きながら、ここにしかない「食の時間」を味わった。
はしもと里山保全アクションチームの佐藤俊(さとう・さとし)事務局長は「今月15日には、この棚田で、子供たちに昔の日本農業(無農薬)を学んでもらう〝はしもと里山学校〟を開校します。きょうも子供たちの表情は明るいし、きっと将来に役立つことでしょう」と言っている。
写真(上、中)は柱本の棚田で〝田植え体験〟する家族連れ=写真(中)にある手前の工作物は水生生物が移動しやすいようにした魚道。写真(下)は芋谷川流域の棚田。遠くには高野山系の山々が展望できる。