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桂の新芽、最高の見頃~玉川峡(市平)10日早く

新芽の色彩が七変化することで名高い、和歌山県九度山町市平(いちだいら)の「市平春日神社の桂(かつら)の木」(町天然記念物)が、快晴の3月28日、例年より約10日も早く、濃くて鮮やかなピンクの彩色に輝いた。地元の中谷勝彦(よしひこ)さん(82)は「最高の彩色が見られるのは、ここ2、3日でしょう。気軽にお越しください」と言っている。
市平地区は、5軒の旧家がある玉川(紀伊丹生川)南側の高台。桂の木は、市平春日神社そばに根付いた雌株(めかぶ)1本で、高さは約35メートル、根周り約8メートルもある大樹。平成17年(2005)に天然記念物に指定されている。
新芽は、例年3月下旬にピンク色を表し、4月1日頃にやや鮮明になり、同8日頃にピンク色が最高潮に達する。
ところが、今年は3月20日頃に色づき始めた新芽が、1週間後には真紅に近い鮮やかなピンク色に変化。とくに杉、檜(ひのき)の濃い緑に囲まれて、一層鮮やかさを見せている。
最高潮に達した桂の木は、4月に入ると朱色が次第に抜け落ち、ピンクから淡いピンク、さらに白っぽく、果ては薄緑色から濃緑色へと変化することになる。
この日、中谷さんから「桂の木は、この金、土、日曜あたりが、一番の見頃になりそう」と、電話連絡を受けた〝やどり地域振興協会〟理事長の上西進さん(76)は、「雨模様の週末前に写真撮影しよう」と現地を訪れ、やわらかい春の日差しの中で、桂の新芽を撮影した。
物心ついた時から、自宅の庭で、この桂の木を仰ぎ見てきた中谷さんは「どう、見事でしょう」とにっこり。上西さんは「まさに玉川峡の宝です。やどり温泉や渓流釣りもいいですが、この珍しい光景を見ていただくことも貴重ですね」と話した。
この市平近くの玉川峡は、昨年の風水害で、川沿いの道路が崩落するなどしたため、橋本市犬戻り付近は工事中で通行止め。市平地区へは、九度山町側から、川沿いに走ると到達できる。
写真(上)は中谷さんの家の煙出しの上にピンク色に染まる桂の木。写真(中)は桂の木を撮影する上西さん。写真(下)は杉山の緑の中で存在感を示す桂の木。


更新日:2014年3月29日 土曜日 00:14

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