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フナ広場や観光馬車…鈴木源二さんスケッチ展
新世紀美術協会会員の鈴木源二さん(69)(和歌山県橋本市)の「スペイン・モロッコ スケッチ展」が、9月4日、同県かつらぎ町妙寺126の37の「Nojiギャラリー&カフェ~野路~」で始まった。鈴木さんは「外国なので二度と見られない風景と思って描いた作品です」と話し、訪れる絵画ファンを丁寧に案内している。8日(日)まで。入場無料。
鈴木さんは2006~2010年、新世紀美術協会の会員やその家族、知人約20人とともに、計3回(1回18~20日間)、スペインやモロッコ、ポルトガルへ〝スケッチ旅行〟に出かけた。
今回はその時に描いた約200作品の中から約40点(0~6号)を選んで出展。例えば、モロッコのマラケシュの「フナ広場」の絵は、塔のある高い建物をバックにした広大な広場で、大勢の人々が躍動している様子。その近くで見た「観光馬車」の動きもとらえている。
また、スペインのセゴビアでは、白雪姫の舞台とされる「城」を描き、アルベルカでは、しゃれた街灯のある「塔の見える路地」をスケッチ。いずれも、その場の雰囲気を軽いタッチで描写している。
鈴木さんは「フナ広場では、1000以上の野菜や果物などの屋台が並び、民族舞踊やヘビつかいなど、さまざまな芸能が繰り広げられ、おびただしい数の住民や観光客がひしめいています」と説明。「その近くには馬車もタクシーも荷車も走り、周辺の路地に入れば、しゃれた街灯や十字架をかざした塔がそびえています」と述懐した。
本来、油絵を描いている鈴木さんは「これらのスケッチは、線に水彩を乗せただけの、いわば軽いタッチの作品ですが、それぞれの雰囲気を表そうと思いました」と語った。
鈴木さんは獣医師で元和歌山県職員(1967~2004)。1970年に新世紀展で入選して以降、池上賞、刑部賞、大阪府知事賞、会員特別賞、安田火災美術財団奨励賞、天理ビエンナーレ入選、小磯良平大賞展入選、川の絵画大賞特別賞などを受賞している。
なお、和歌山新世紀展は、9月19日(木)~同23日(月)、和歌山市の和歌山県庁前の県民文化会館1階「和歌山県民ギャラリー」で開催。出展は次の皆さん=岩崎奈美、岩崎孝志、面矢元子、川口昭、北澤恭子、桑原近枝、鈴木源二、徳山伴子、中川妙子、中野正士、辻環、向芝節男、三浦敏和。特別参加=安東恵、川口武和、森博子。また、中野正士作品展、新世紀和歌山グループ小品展も同時開催される。時間は午前9時半~午後5時(最終日は同4時)。問い合わせは鈴木源二さん(0736・32・1752)へ。
写真(上)は来場者に丁寧に説明する鈴木さん。写真(中)は鈴木さんの作品マラケシュの「フナ広場」。写真(下)は鈴木さんの作品に見入る女性たち。