ニュース & 話題

高野山麓の仏像・絵画ずらり…20日から県立博物館

弘法大師(空海)が開いた真言密教の聖地、世界遺産・高野山(和歌山県高野町)。その山すその橋本・伊都地方などの神社仏閣や住民所蔵の仏像、絵画などを一堂に集めた特別展「高野山麓 祈りのかたち」 が10月20(土)~12月2日(日)、和歌山市吹上の和歌山県立博物館で開かれる。同博物館では「高野山とその山麓は、僧侶も住民も盛んに往来した共通の文化圏。今回は、山麓の仏教芸術、宗教美術に初めて照準を合わせました」と話し、来館を呼びかけている。
和歌山県立博物館、文化庁などが主催。橋本市、紀の川市、紀美野町、かつらぎ町、九度山町、高野町、有田川町の各教育委員会が後援。(財)和歌山県文化財保護協会、(社)和歌山県文化財研究会が協力する。
展覧会は、第1章「高野山の開創と高野山麓」、第2章「高野山麓の鎮守社と祭礼・芸能」、第3章「高野山麓の村と祈り」、第4章「高野山文化圏の広がり~村が守った仏像からたどる~」、第5章「高野山麓 祈りのかたち~守り伝えられた文化財」に系統立て、計125点を出陳。
この夏、橋本市東家の妙楽寺で確認された奈良~平安時代の観音菩薩立像や、胎内から女人堂・造立を示す古文書が発見された同市清水の西行庵の地蔵菩薩坐像など、〝話題の菩薩像〟をはじめ、菩薩形坐像(平安時代=林ケ峰観音寺蔵)や、女神坐像(平安~鎌倉時代=三谷薬師堂蔵)など、滅多に見られない文化財が初公開される。
同博物館の大河内智之・学芸員は「特別展のポスター・チラシは、曼荼羅(胎蔵界)で飾り、中心の大日如来像を高野山、周囲の菩薩像を高野山麓とイメージし、図案化しました。平成27年の〝高野山開創1200年記念大法会〟を控え、この特別展から、知られざる魅力を感じ取ってください」と言っている。
期間中は「講演会」(申し込み不要)や「ミュージアムトーク」(展示解説)がある。講演会=11月3日(土・祝)「高野山麓 祈りのかたち」(講師=大河内智之・学芸員)、11月11日(日)「密教彫像の展開」(講師=伊東史朗・同博物館長)、11月17日(土「高野山鎮守丹生都比売神社で行われた舞楽法会」(講師¬=遠藤徹・東京学芸大学准教授)、11月25日(日)「高野山上の仏像」(講師=友鳴利英・高野山霊宝館学芸員)=時間はいずれも午後1時半~同3時。場所は同博物館隣りの県立近代美術館2階ホール。
ミュージアムトーク=11月3日(土・祝)、11日(日)、17日(土)、25日(日)の午後3時15分~同4時15分(講演会終了後に行う)。10月20日(土)、11月23日(金)、12月1日(土)の午後1時半~2時半。いずれも入館券を購入のうえ、展示室入り口に集合する。
特別展「高野山麓 祈りのかたち」は、入館料一般800円、大学生500円。20人以上の団体は一般1人650円、大学生400円。高校生以下、65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方、和歌山県内に在学中の外国人留学生は無料。開館時間は午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜日は休館。問い合わせは同博物館(電話073・436・8670)
写真(上)は妙楽寺で奈良~平安時代の製作と確認された観音菩薩立像。写真(中)は女人堂で造立されたことを示す古文書が発見された西行庵の地蔵菩薩坐像。写真(下)は特別展「高野山麓 祈りのかたち」のチラシ。


更新日:2012年10月18日 木曜日 13:03

関連記事

ページの先頭に戻る

  • 標準
  • 大
  • RSS
  • サイトマップ

検索

過去の記事