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南極の氷・お礼の文集…「しらせ」艦長に児童ら

第53次南極地域観測・砕氷艦「しらせ」が持ち帰った〝南極の氷〟をプレゼントされた和歌山県橋本市立隅田小学校の児童は、「しらせ」の中藤琢雄艦長らに宛てた〝お礼の文集〟を、橋本地区防衛協会の阪口繁昭会長を通じて贈った。
「しらせ」は昨年11月に東京を出航し、約1万4000キロ離れた南極へ。今回は旧陸軍の白瀬矗(しらせ・のぶ)中尉が、日本人で初めて南極に到達して100年の節目。しかし、南極は悪天候で、「しらせ」は分厚い海氷に阻まれ、昭和基地の約21キロ手前でストップ。基地周辺で採取した〝南極の氷〟は、ヘリコプターで「しらせ」に運び、持ち帰った。
自衛隊和歌山地方協力本部・橋本地域事務所は4月下旬、この貴重な氷(横30センチ、縦20センチ、厚さ20センチ)を隅田小学校の児童にプレゼント。住野具視所長から「南極の氷山は1万~10万年以上も前に降り積もった雪が、その重みで固まってできた」ことや、南極には「ペンギンやアザラシが生息し、美しいオーロラが見られる」ことなどを教えてもらった。
その後、児童らは「南極の氷」に触れたり、氷が解ける時に出る気泡の不思議な音を聴いたりして、楽しいひとときを過ごした。
学校側は「お世話になった自衛隊の方々にお礼の気持ちを表わしましょう」と礼状を書くように指導。約200人の児童らがそれぞれ「山のような氷山の中、船体が傾いても進んだことに感動しました」「写真を見せてもらいながら、オーロラのお話しを聴いて、すばらしいと思った」「艦長さん、隊員の皆さん、南極の氷を届けてくれてありがとう」などという趣旨の作文を書いた。
学校側は、これをコピーして3冊の文集を作成。1冊は中藤艦長、1冊は自衛隊和歌山協力本部、あと1冊は橋本地域事務所に宛てて、阪口・橋本防衛協会長に手渡した。
隅田小学校の村山円祐教頭は「これでお世話になった方々に礼状を書くことの大切さや、礼状を書くことで改めて南極の氷をしっかり記憶に刻んだことと思います」と話していた。
写真(上)は中藤艦長らに礼状を書いた隅田小学校の児童たち。写真(中)は児童らの礼状を読む住野所長ら。写真(下)は、南極の氷に大喜びの子どもたち=4月、隅田小学校体育館で。


更新日:2012年5月26日 土曜日 08:15

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