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玉川峡に桂の新芽美しく…7変化の天然記念物

和歌山県九度山町市平(いちだいら)の玉川峡で、「市平春日神社の桂(かつら)の木」(町天然記念物)が、枝々にピンクの新芽をつけ、全山杉山の緑の中で、萌えたっている。
この桂の木は、市平春日神社わきに根付いた雌株(めかぶ)1本で、高さは約35メートル、根周り約8メートルもある大樹。平成17年(2005)に天然記念物に指定された。
向いの小高い青淵(あおいぶち)の柿山から、玉川(紀伊丹生川)を隔てた、この市平を眺めると、山の中腹の平地に5軒の屋敷が見える。
その上方の市平神社わきに、桂の木があり、山の斜面に屹立する杉木立の中から、無数の花芽があふれ返り、陽光が照り翳(かげ)りするたびに、桂の花芽が色鮮やかに表われたり、ひそんだりする。
市平に住む中谷澄代さん(77)方の縁側からは、上方に桂の木がまともに見える。中谷さんは〝玉川峡を守る会〟の石神正浩会長から贈られた「桂の四季」の写真をひろげ、「桂の木は、この通り、薄いピンク色から、だんだん赤くなり、やがて薄緑へと7変化します」と説明。
そのうえで、「結婚して約55年、朝な夕な、あの桂を見上げて過ごしてきました」と話し、この日、墓参りにきていた同町入郷の孫娘で介護士の愉紀さん(26)は「実家のすぐ近くに、こんな素敵な桂の木があってうれしいです」と喜んでいた。
玉川漁業協同組合長で、やどり地域観光相談員の上西進さんは「このあたりは玉川峡のハイキングコースの一つです。ぜひ、写真に撮るなり、網膜に焼き付けるなり、桂の木の変化ぶりを味わってください」と言っている。
写真(上)は鮮やかなピンク色の花目をつけた桂の木。写真(中)は上方の桂の木をバックに愛嬌を見せてくれる中谷澄代さんと孫娘の愉紀さん。写真(下)は青淵の柿山から玉川を隔てた向いの市平でピンクの花芽をつけた桂の木。


更新日:2012年4月16日 月曜日 23:05

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