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国城山など〝雲の帯〟長く~紀ノ川南岸の秋祭り
カラスの鳴く声で、深い眠りから目が覚めた。2階の窓の外を見ると、100メートル程先の家のアンテナの先で、真っ黒いのがとまって、紀ノ川を眺めている。ああ、きょうは紀ノ川の南側流域の秋祭り。それで、カア、カアと告げているのか。
ベッドから起き上がって、窓の外をのぞくと、どうも、そうでないことがわかった。紀ノ川の南側を東西に連なる山々。正面のやや高い峰あたりが国城山。その連山の中腹あたりを、東西に長い〝雲の帯〟がかかっている。カラスは、この見慣れない光景に驚いたのだろう。
きょうは和歌山県橋本市の学文路、清水あたりの秋祭り。昨夜、居酒屋で一緒だった友人は、「天気予報では、あすは雨らしい。かわいそうによう」と孫のことを思っていた。一夜明けたが、今は降ってはいない。ただ、長い〝雲の帯〟は、ゆっくりと西方へ流れている。
ひょっとしたら、彼の思いが通じているのか。だれかが雨粒を〝雲の帯〟に束ねているのか。空では野鳥の声が弾んでいるし、地中からはコオロギの声が聴こえてくる。やがて〝雲の帯〟は消えて、そして、しばらくすると、またあらわれる。まだ、川向こうから、笛太鼓の音は聴こえてこない。
山に雲引いて迎へる秋祭 (水津順風)
更新日:2011年10月22日 土曜日 09:35