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〝富貴の盆踊り〟懐かしく♪宝蔵院「踊り堂」緑風通う

お堂内で駒下駄(こまげた)の音が心地よく響く〝富貴の盆踊り〟の舞台、和歌山県高野町富貴の高野山真言宗・宝蔵院の「踊り堂」――。盆踊りは高齢化のため平成末期に途絶えているが、この季節になると音頭が聴こえ、踊り子の現れそうな、懐かしい残暑のたたずまいを見せている。
8月17日の同町は快晴で、最高気温は32度。木造平屋の「踊り堂」は、すべて開け放たれていて、正面に飾られた観世音の絵がまばゆく、周辺の山々からくる緑風が堂内を吹き抜けていた。
ここでは毎年8月、「踊り堂」の中央に櫓(やぐら)を組み、その内外に沢山の提灯(ちょうちん)をぶら下げた。善男善女は僧侶とともに仏壇に向かって読経し、五穀豊穣と家内安全を祈願した。
午後7時頃、駒下駄にゆかた姿の子供からお年寄りまで、数十人が勢ぞろい。堂内の中央で叩く太鼓のリズムと、「富貴のやっちょんまかせ」の歌などに合わせて、板張りの回廊を左回りに踊り進んだ。
この盆踊りは江戸時代中期に発祥。当時、飢饉(ききん)に見舞われた際、大庄屋・名迫伊光(なさここれみつ)が村人を救済。その喜びから村人たちが盆踊りを始めたとされる。
これまで取材・報道を重ねてきた橋本市在住のフォトライター・北森久雄(きたもり・ひさお)さんは、「駒下駄の音は、実に心地よいリズム。踊り子は手指、腰つきもしなやかに、回廊を行きつ戻りつ…。どこにも見られない素敵な情景でした」と述懐する。
「今は新型コロナ禍とか、少子高齢化社会とか、大変なことばかり。でも、このまちも、寺院も、踊り堂も素晴らしく、いつか盆踊りも復活してくれることでしょう」と話していた。
写真(上)は緑風が吹き抜ける宝蔵院の「踊り堂」(観音堂)。写真(中)は富貴の盆踊り=2008年8月23日・北森さん撮影。写真(下)は踊り堂に飾られた美しい観世音の絵画。

更新日:2020年8月18日 火曜日 00:00

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