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他人が先 自分は後(岡潔博士)~佐藤さん講演

和歌山県教育委員会の委員で童話作家の佐藤律子さん(同県橋本市城山台)は、2月16日、橋本市教育文化会館で開かれた高齢者研修会〝福寿教室〟で講演し、橋本市名誉市民で世界的数学者の岡潔博士(1901~78年)の〝情の哲学〟を紹介。「岡博士の古里に全国から大勢のファンが訪れるようになってほしい」と語った。
岡博士は大阪生まれで、4歳の時に祖父の郷里・紀見村(現橋本市)に移住。京都帝国大学で学び、「多変数函数論」などを発表。世界中の数学者が挑んでも、1問解くのに100年はかかる、といわれた3大難問を1人で解いた天才で、文化勲章受章者。
佐藤さんは「橋本市古佐田の丸山公園には、岡博士の祖父・文一郎氏の碑があります。文一郎氏は〝橋本のまちは高野街道と大和街道が交差する交通・文化の要衝〟として、当時、高野口町妙寺にあった伊都郡役所を橋本に移設した人物」と紹介。そのうえで、「文一郎氏は、幼少の頃の岡博士に対し〝他人(ひと)が先、自分は後〟と、何度も譲ることの大切さを教え込んだ」と説明。「大人になった岡博士は、数学界の3大難問が解けたのは〝祖父の徹底したこの教育があったから〟と述懐している」と話した。
また、「岡博士は〝感情〟とは自分がうれしいとか悲しいとかいうものだが、〝真情〟とは、人と自然を共に喜び、共に悲しむ。〝競争心〟は人に勝って自分が喜ぶが、〝向上心〟は自分に勝って人を助けることを喜ぶ」と、その思想の奥深さを述べた。
さらに、岡博士の研究者・横山賢二さん(高知市)の活躍についても触れ、「日本の実業家でSBIホールディングス代表取締役執行役員・北尾吉孝さんは、インターネットのブログで、横山さんから岡博士の著書を贈られたことを記し、岡博士について〝単なる数学者というのではなく、実は日本の神道や仏教、あるいは大脳生理学といったものすべてに非常に造詣が深い人であります。と感想を述べている」と説明した。
「BRK経営計画コンサルティング事務所代表・澤田則幸さんも〝致知〟2000年3月号〝致知随想〟で、〝1〟は数字の中で最も大切である。なぜならば『1』はすべての始めであり、1がなければなにもスタートしない。これは尊敬する数学者・岡潔博士の言葉である。俳優の津川雅彦さんは、動物の縫いぐるみを商品化した。岡博士の著書『春宵十話』に詳しい情緒哲学を応用して開発したと聞いた、と書いています」と紹介した。
佐藤さんは最後に「この岡博士の古里・橋本では、博士の情の哲学のように、常に〝人にやさしく、自分に厳しく〟すれば、きっと他府県から大勢の人たちが訪れてくれると思います」と締めくくった。
「福寿教室」のメンバーは、橋本市老人大学(現・橋本市生き生き学園)の卒業生らで、改めて岡博士の偉業をかみしめていた。
佐藤さんは〝橋本市岡潔数学WAVE〟から依頼を受け、伝記絵本「岡潔博士ってだぁーれ」(A4版、35ページ、定価・本体1200円+税。発行所・株式会社響文社)を出版している。
写真(上)は講演する佐藤律子さん。写真(中)は文化勲章を受章した岡潔博士。写真(下)は佐藤さんの講演を聴く福寿教室の皆さん。

更新日:2012年2月16日 木曜日 22:25

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