ニュース & 話題
岡潔博士TVドラマ放映へ♪数学WAVEもPR活動
世界的超1級の数学者で、和歌山県橋本市名誉市民の故・岡潔(おか・きよし)博士の偉業を伝える、橋本市岡潔数学WAVE=瀬岡佳史(せおか・よしふみ)会長=は、来春、放送予定の読売テレビ創立60周年記念ドラマ〝岡博士と妻・みちさんの物語〟をテーマに話し合い、多くの人々に同テレビを見てもらえるよう、岡博士と郷土アピールに努めることにした。奥村浩章(おくむら・ひろあき)副会長は「岡博士は数学者だけでなく、哲学者・文学者としても超1級であり、テレビ放映を控えて、さらに顕彰活動に働きたい」と張り切っている。
同数学WAVEは岡博士記念館・開設を考える部会を同市教育文化会館で開催。瀬岡会長や理事ら7人と、岡博士のふる里である同市柱本、紀見峠、慶賀野、矢倉脇の各区長が出席した。
橋本市やネット情報で調べた、同数学WAVE理事で童話作家の佐藤律子(さとう・りつこ)さんが、読売テレビ創立60周年記念ドラマについて紹介。タイトルは「天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~」で、主役は岡博士の妻で、女優の天海祐希(あまみ・ゆうき)さんが主演、岡博士を佐々木蔵之介(ささき・くらのすけ)さんが演じると話した。
岡博士(1901~78年)は大阪生まれ。幼少期~中学時代、祖父の郷里・紀見村(現・橋本市柱本)で生活。京都帝国大学で学び「多変数函数論」を発表。世界の3大難問を唯1人で解いた超天才。
文化勲章受章者で、著書に「春宵十話」「日本のこころ」「一葉舟」など、世界に冠たる文学・哲学書がある。
この日の部会では、テレビドラマ「天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~」のアピール活動に取り組む方針を決め、先ず、12月3日(日)の「岡潔顕彰 囲碁・将棋大会」や、同10日(日)の岡潔研究家の横山賢二(よこやま・けんじ)さん、松澤信夫(まつざわ・のぶお)さんの講演会=いずれも同市教育文化会館=で、テレビ放映についてチラシなどで紹介することにした。
同数学WAVEは平成28年、岡博士の故郷・柱本の紀見峠に「情緒(じょうちょ)の道」と記した標柱(ひょうちゅう)2本を建立。近くには岡博士と妻・みちさんの墓がある。
橋本市役所前には同26年、橋本ロータリークラブが建立した「岡潔博士 顕彰碑」があり、岡博士のメガネを掛けた顔と、多変数解析関数の直筆がデザインされている。
ふる里近辺の80歳代の人たちは、「私が子供のころ、岡博士は終日、池の堤から石を投げ込み、波紋の広がりを見つめていた」「夏の夜は、蛍を掌(てのひら)に載せて、手を閉じたり開いたりしていた」などと、その真剣な眼差しを述懐する。
それだけに同数学WAVEは、今回の読売テレビ創立60周年記念ドラマで、岡博士夫婦が登場することに大感激。例えば、観光客に岡博士が散策した「情緒の道」や、日本の原風景「柱本の棚田」などを語り部が案内し、散策したり田植え体験したりして、岡博士を偲んでもらう。空き家を活用して、岡博士の遺品を展示するなど、新たな取り組みを考えることにした。
岡博士の人間味に魅かれ、伝記絵本「岡潔博士ってだーれ?」を出版した佐藤さんは、「とくに子どもたちには、岡博士の一途な研究心、日本の情緒や人間愛など、私たちに一番大切なことを学んでほしいです」と話していた。
写真(上)は岡潔博士のイラストと岡潔博士が書き残した囲碁・将棋の棋譜イラスト。写真(中)は岡博士の旧居跡付近に建立・除幕した標柱=左から平木哲朗市長、奥村副会長、瀬岡会長。写真(下)は佐藤律子さん著の絵本「岡潔博士ってだーれ」の1シーン。