特集
「この犬かわいいね」と高野山の高僧
橋本市の喫茶店で
ゴルフッピー「この間、うちの店に、金剛峯寺のHさん(高僧)が来られました。Hさんが『このお店に、発信機さんなど、皆さん、来られますか。その後、皆さん、お元気ですか』と、言っておられました。あれは、高野山真言宗総本山・金剛峯寺の宗務総長か、検校法印さんに就任した時ですかね。うちの和室で、皆さん、和気あいあいに祝賀会を開いてくれました」
発信機「もう、ずいぶん前のことですね。Hさんは、高野山の僧侶の中でも、最も俗界のことを、よく理解してくれているお方だと、尊敬しています。何しろ、宗務総長といえば、高野山真言宗の最高クラスの職責。検校法印と言えば、高野山の主要行事の際、宗祖・弘法大師(空海)の、名代を務める職責です。そのお方が、『仏教界では、悟り悟りといいますが、なかなか、これは、難しいことでねえ、簡単ではないですよ…』と、真剣なお顔で、おっしゃる。高僧といっても、まったく、ふんどり返らない。私は、その独特の雰囲気に圧倒され、やっぱりすごい人が居られると、脱帽したことがあります」
ゴルフッピー「ほほほ。そうねえ。気さくなお方です」
発信機「ここへは、お1人でしたか」
ゴルフッピー「相変わらず、奥さんとご一緒でした。若いお坊さんの運転でね」
発信機「仲良きことは、美しきかなですね」
ゴルフッピー「Hさん、帰り際に、階段の下で、サブちゃん(愛犬・三郎のこと)と出会ってね、サブちゃんが『遊んでよ』って、近寄っていく。そしたら、Hさん『サブちゃんは、相変わらず、かわいいね』という。何、いってんのん、Hさんの顔見知りの犬は、前の犬なのに…。そう言おうと思ったけど、黙ってた。さらに、『サブちゃん、私のこと覚えてくれているよ。かわいいから、何か、おいしいものあげて』と言う。『いやです。肥満になっては困りますから』と、返しました。それでも『そんなら、肥満にならへん、何か、いいものをやってよ』といって帰りました。おばかさんねえ、サブちゃんが、寄って行ったからって、『私のことよく覚えている』やなんて…。犬なんて、誰を見ても、人懐っこく、寄っていくものですよ。ね~」
発信機「それそれ、その雰囲気。これはもう俗界の人間には、とてもかなわない雰囲気ですよ。うれしいですよ。あんなお方が高野山に居られるとは」
(登場人物はニックネームです)