特集
すてきな俳句ができました。
○橋本市の喫茶店で
受話器「あっ、今、一句できた。『この庭の斑(まだら)の雪や雀とぶ』。どう、見たままやけど」
ガラス戸から見える庭に、可憐な洋花の鉢植があり、飛び石がつづく。軒下の緑石の間には龍の髭が青々と生えている。たしかに、庭のあちこちに、雪が、ふわれふわりと解け残っている。そこから雀が青いそらに飛び立ったというのである。
野武士「それでええんやと思うけど。机の上で、こねくり回したようなもん作品)、やっぱりあかん」
受話器「そうですね。俳句はやっぱり、呼吸です。高浜虚子先生がおっしゃったように、写生が一番ですね」
野武士「そうそう。そうそう」
受話器「あの一句、『降りだして牡丹雪(ぼたんゆき)いま細雪(ささめゆき)』でしたか。これは、昨年亡くなった俳誌『杉』主宰・森澄雄先生の作品。すごい呼吸で、大好きです。時の流れと、目の当たりの情景が、見事にとらえられていますよ」
野武士「そうやね。俳句はいいもんです」
~登場人物はすべて「ニックネーム」です~
更新日:2011年2月24日 木曜日 15:01