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いにしえの死者まつり~縄文・弥生時代の死生観展〜

「いにしえの死者まつり~縄文・弥生時代の死生観展~」が11月30日、和歌山県かつらぎ町妙寺445の1の妙寺公民館で開幕した。

和田大作(わだ・だいさく)学芸員は「縄文人骨や副葬品などから、往時の人々の死生観を感じ取ってください」と来館を呼びかけている。

12月5日(日)まで。入館無料、申込不要。

同館1階オープンスペースには、主に紀北地方などの県内遺跡の出土品を展示。要所に説明文を掲示している。

例えば、「縄文集落と墓」については、縄文時代の墓は集落のなかで、広場のほか竪穴建物の中や、すぐそばにつくられていること、墓と住む場所とは分離せず、一体となっていることを紹介している。

また、展示品を見ると、先ず、縄文時代の土壙墓(どこうぼ)に埋葬されていた女性の頭蓋骨(ずがいこつ)が迫力いっぱい。

説明文によると、この女性は30〜40歳代で、平均寿命20歳代の当時としては高齢者。土坑内から出土した小玉は、生前身に付けていたものを埋葬したと想定している。

このほか、男性を表現した石棒(せきぼう)類を展示。これは命を生み出す象徴で、祭祀に利用していたことから、再生の観念があったと考えられると解説した。

さらに、石棒と対になるのが土偶(どぐう)で、妊娠中の女性表現が多い。妊娠・出産は、女性のみ可能であり、当時の人々は、その力を含めた女性性を土偶に託し、大地の豊穣や安産、病気治癒など、様々な願いを叶えるための祭祀を行ったと思われると記している。

メノウ製勾玉(まがたま)や銀製の空玉(うつろだま)、耳環(じかん)などの副葬品も沢山飾られていて、現代人でさえ往時に心が甦りそうな輝きを放っている。

同館の開館時間は午前9時〜午後5時。裏に駐車場がある。

写真(上)は縄文人骨。写真(中)は副葬品。写真(下)は石棒類。


更新日:2021年12月1日 水曜日 00:00

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