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牡丹雪ふわり慈尊院♡九度山~ゴンも多宝塔も冠雪
和歌山県九度山町の女人高野・別格本山「慈尊院(じそんいん)」=安念清邦(あんねん・せいほう)住職=は、牡丹雪の降った1月12日、山門も本堂も多宝塔も美しく雪化粧して、弘法大師のご母堂を祀る名刹の奥ゆかしさを感じさせた。
慈尊院は、高野山が女人禁制だったため、空海の母・玉依御前(たまよりごぜん)が同院で起居し、空海が毎月九度下山して母と会った。本堂・弥勒堂には、ご母堂が祀られている。
多宝塔は、大師が創建後に炎上して再建、寛永年間(1624年~1643年)に再々建。境内隅には参拝者に愛された高野山・案内犬「ゴン」の彫像も造立されている。
この日、早朝から牡丹雪が降り、山門や土塀の屋根は真っ白。山門の向こうに見える多宝塔は、白銀の境内にどっしりそそり立つ。山裾の高台に祀られた可愛い「ゴン」は頭に冠雪したまま、弥勒堂を見つめていた。
ここでも正月・連休明けのため、人影は三々五々だったが、安念邦賢(あんねん・ほうけん)副住職は「積雪の年末年始には、高野山へ車で登れない参拝者が大勢、当寺院へ来られました」と話していた。
追伸=同寺院は昭和の中頃、作家・有吉佐和子さんの小説「紀ノ川」が映画化され、名優・司葉子さん演じる「花」が祖母とふる里の慈尊院を訪れ、乳房型絵馬を奉納する名場面を放映、全国の脚光を浴びた。今なお安産・子宝の祈願寺として参拝者は絶えない。
写真(上)は慈尊院・山門下から見た牡丹雪の多宝塔。写真(中)は同山門内から見た多宝塔と境内の白銀世界。写真(下)は冠雪の高野山・案内犬「ゴン」の彫像。
更新日:2021年1月13日 水曜日 00:00