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水道料値上げ案は継続審議・否決!橋本市議会委全員

和歌山県内で水道料金が一番高い橋本市が6月定例市議会に提案した「上下水道料金改定(値上げ)案」について、同市議会経済建設委員会=杉本俊彦(すぎもと・としひこ)委員長=は24日、市当局と質疑応答のうえ、上水料金改定案は継続審議、下水道の料金改定案は否決となった。委員から「市民への説明が不十分である」との指摘に対し、市当局は「7、8両月、市内9か所で説明会を開く」と答えた。
経済建設委員会は、杉本委員長、垣内憲一(かきうち・のりかず)副委員長、市議会議長の土井裕美子(どい・ゆみこ)、同副議長の小林弘(こばやし・ ひろむ)、坂本久代(さかもと・ひさよ)、田中博晃(たなか・ひろあき)各委員の6人で構成。同委員会には委員全員と、同市水道環境部の水道経営室長や水道施設課長、浄水場長、下水課長らが出席した。
今回の問題に対しては、市民有志でつくる「橋本市の水道問題を考える会」=中田眞一(なかた・しんいち)会長=が6月10日、「水道料金の引き上げ中止を求める請願書」(署名3002人)を同市議会議長に提出。同委員会の傍聴席(22人)は会員らで溢れ、開扉したまま開催された。
市当局の説明によると、上水道の基本料金1780円(税込)は、5立方メートルまでを1813円(同)に、5立方メートルを超えると1980円(同)にすると説明。そこには国の「消費税2%アップ」も想定・勘案した。下水道料金は約20%アップとした。
その理由は、安心安全な給水のため、20年計画(予算約195億円)を策定。市営浄水場ポンプ施設や池の改修などの必要経費づくりとしている。
各委員から「水道施設の改修前に水道関係の新庁舎を建設しているが、逆ではないのか」「工事費は〝相見積〟をするなど安価で済む工夫は」「浄水場の空き地の有効利用は」などの厳しい質問が相次いだ。
市当局は「新庁舎は耐震化のためで、安価なプレハブ造りにした」「今、取り組みをしている」「浄水場の空き地は、工事の仮置き場になるので、将来はできても、今は難しい」などと答えた。
さらに委員から、大滝ダム(奈良)の水利権・分担金について、橋本市の人口6万2642人(5月末現在)を前提に、「当市はなぜ15万人分(新興住宅開発時の予想人口)もの分担金を払っているのか」「その水利権の販売などを考えたことは」などと質問。市当局は減額について「国に要望活動を続けている」、水利権の販売などは「検討したい」と答えた。
さらに委員から「料金改定の施行日(10月1日)をもっと先にできないか」との問いに、当局は「修正はできる」と回答。最後に柿内副委員長から同議案(上下水道値上げの条例改正案2本)について「継続審議」とするなどの動議が出され、採決の結果、全員挙手により採択された。
傍聴席では「よかった」と拍手が起き、「市当局は市民に広報したというが、経済建設委員会の委員ですら、質問しなければ理解できない状態」「何をするにもお金は必要。でも、なるべくお金がかからず、お金が入るように、具体的に何をしているのか、それが知りたい」という声が聞かれた。
「水道料金改定の説明会」は次の通り。
▽7月17日(水)恋野地区公民館▽同18日(木)山田地区公民館▽同19日(金)紀見東中学校体育館▽同24日(水)紀見北中学校体育館▽同25日(木)橋本地区公民館▽同30日(火)隅田地区公民館▽同31日(水)学文路地区公民館▽8月1日(木)紀見小学校体育館▽同20日(火)橋本市産業文化会館「アザレア」=いずれも午後7時から。
写真(上)は橋本市の一般家庭・台所の水道水。写真(中)は橋本市上下水道事業説明会のお知らせより。写真(下)は橋本市浄水場=同市真土。


更新日:2019年6月25日 火曜日 00:00

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