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EM菌活用でプール大掃除♪大臣表彰の紀見小児童
和歌山県橋本市立紀見小学校=向山耕治(むかいやま・こうじ)校長=の5、6年生計111人は、水泳シーズンを控えた梅雨の晴れ間の6月9日、NPO地球環境・共生ネットワーク・和歌山県世話人の井川文彦(いかわ・ふみひこ)さんの指導で、EM菌(有用微生物群)を活用した「プール掃除」を実践した。
EM菌は田んぼの中に棲む光合成細菌や、ヨーグルトで知られる乳酸菌、パンに大切な酵母菌など、抗酸化物質を産む微生物の複合体。井川さんは「地球上には善玉菌群と悪玉菌群が各15%、残る70パーセントは日和見(ひよりみ)菌群。例えば、悪玉菌が多くても、そこにEM菌を入れると、日和見菌が善玉菌として活躍、みるみる環境改善につながる」と強調する。
紀見小学校では、井川さんらの指導により、昨年10月と今年5月の2回、米のとぎ汁にEM菌を入れて発酵させた「EM活性液」をつくり、水を張ったままの25メートルプール(7コース)と隣接の小さなプールに投入した。
今回、掃除の前日に大半の水を抜くと、プールの底や壁はぬるぬるの藻(も)に覆われ、ヤゴやアメンボ―が走り回るほどの汚れよう。
この日、5年生51人がプールの上、6年生60人はプールの中で、それぞれデッキブラシや亀の子たわしを持って大掃除に挑んだ。壁に水道水をかけながら、亀の子たわしで擦(こす)ったり、水深約10センチの底を、まるで廊下拭きでもするように、水しぶきを上げて走る。
このプール掃除、洗剤で洗うと、底や壁にへばりついた藻類はなかなか離れず、大変な労力が要るが、EM菌を活用すると藻類はスムーズに除去。約1時間半後には、プール本来の綺麗な水色の姿を取り戻した。
同小学校は平成22年(2010)から毎年、EM菌活用でプール掃除を実施。「トイレ掃除に学ぶ会」の世話人・川島渚(かわしま・なぎさ)さんの指導で、EM菌活用のトイレ掃除も実践するなど活動。昨年7月には丸川珠代(まるかわ・たまよ)環境大臣から「環境保全功労者表彰」を受けている。
井川さんは「例えば、洗剤でプール掃除をすると、今なら植田に流れ込みます。その点、EM菌は、むしろ汚染水を浄化、環境改善につながります」と話し、児童たちのEM菌プール掃除を見守っていた。
写真(上、中)EM菌活用のプール掃除に取り組む紀見小学校の5、6年生児童たち。写真(下)は綺麗な彩色を取り戻した紀見小学校の25メートルプール。