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薫風~即興曲に心和ませ♪紙遊苑でロビン&成川さん

フランス人・チェロリストのロビン・デュプイさん(43)と作曲家でギターリストの成川(なりかわ)マサノリさん(60)は、5月26日、和歌山県九度山町の紀州高野紙伝承体験資料館「紙遊苑(しゆうえん)」の開苑20周年記念・スペシャルコンサートに出演した。2人は薫風の庭園で即興演奏したり、大自然の有難味を語ったりして、和室縁側から眺める約100人の聴衆の心を和ませていた。
「紙遊苑」は平成11年(1999)4月、弘法大師・空海が厄除観音を祀った、世界遺産・高野参詣・町石道(ちょういしみち)わきの真言宗・勝利寺(しょうりじ)の旧・庫裏(くり)に開設した。
空海が中国から紙作りを伝え、高野山麓の高野十郷(こうやじゅうごう)で漉かれた高野紙が、大量製紙時代と共にほぼ途絶えたため、伝承・体験を目指している。
この日、初夏の日差しの中、新緑を背景にした庭園には、小池も飛び石もあり、北には和泉山脈や紀の川が見渡せる。縁側や畳の間は、家族連れや職場仲間などでいっぱい。
先ず、成川さんが登場。ギターを抱えて、木製椅子に座ると、薫風の波が来て、夏燕がひるがえる。その情景と繋がったかのように、成川さんの指が動きだすと、静かな即興曲が流れてきて、皆、シーンとなった。さらに「九頭竜」や「風が吹くが如く」など、オリジナル曲を演奏すると、会場から「心が癒される」という声がもれていた。
次にロビンさんが登場。庭園の周辺には、小さな音でも伝える8本の竹スピーカーが立つ。ロビンさんは長い棒をこんこんと叩いたり、小さな弦楽器をつま弾いてみたり。皆、そっと耳を立てて、野鳥の鳴き声とともに聴く。本来のチェロ演奏が始まると、やはり大きな拍手が起きていた。
最後に2人並んで登場。全員に口でリズムをとらせ、それに合わせて、チェロ&ギターの即興曲を表現すると、演奏者も聴衆も、夏景色と心一つになる。全員で唱歌「夏の思い出」の演奏・合唱で締めくくると、客席は「きょうは最高のデュオコンサートが聴けた」「とても心爽やかになれた」と、口をそろえていた。
九度山町は今後、「紙遊苑」の特別展示室や和室・茶室の貸し出し(有料)ができるよう、開設20周年を機会に町条例を改正した。また、「まる1日、本格体験コース」を設け、楮(こうぞ)を蒸す、黒皮採り、トロロアオイの粘液抽出、漉く、干すという、作品完成までを体験できるようにした。
岡本章(おかもと・あきら)町長は、冒頭挨拶で「私の子供の頃は、紙漉きが盛んで、楮を蒸す際、ダイコンや芋を入れ、それを味わったものです。大切な高野紙伝承に向けて、旧・古沢小学校の活用も考えたい」と、前向きに話していた。
写真(上、中)は即興音楽を演奏するロビン・デュプイさん=左=と成川マサノリさん。写真(下)はロビンさんのチェロ演奏を茅葺屋根の「紙遊苑」和室縁側で聴き入る大勢の人々。

更新日:2019年5月27日 月曜日 00:00

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