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高野山の文化財守ろう!国宝不動堂近くで消火訓練
「文化財防火デー」を控えて1月24日、世界遺産・高野山真言宗総本山・金剛峯寺の壇上伽藍(だんじょうがらん=和歌山県高野町)にある国宝・不動堂わきの蓮池(はすいけ)で、高野山内一の大掛かりな消火訓練が行われた。
同町教育委員会と消防本部が主催、金剛峯寺、同町消防団、県警高野幹部交番、高野山文化財保存会の共催で、金剛峯寺自衛消防隊や町消防団・本部などから、消防車など7台と消防団員ら約100人が参加した。
この日の高野山は数センチの残雪で、壇上伽藍(だんじょうがらん)の不動堂や金堂、御影堂なども屋根は真っ白。真昼の日差しを浴びると、雪解水が一筋の糸となって、輝きながら落ちる。
先ず訓練は、消防車などの隊列が、次々と金剛峯寺前を出発。壇上伽藍の周辺を走り、「火の元に注意し、文化財を守ろう」と訴えて回った。
この後、蓮池の輪橋(りんきょう)のたもとで、発煙筒をたき、白煙があたりを包むと、サイレンの音もけたたましく消防車が到着。近くの消火栓にホースをつないで、輪橋や池畔などから一斉に放水すると、水は勢いよく音を立てて、放物線を描き、その一部から七色の虹が出現する。
不動堂近くの池畔では、高野山小学校3年生9人が見学。児童らは「すごいなあ」と目を丸くして、消防団員らの動きに見入っていた。
訓練の後、消防隊員ら全員は、壇上伽藍・中門(ちゅうもん)前に整列。高野町の角濱正和(かどはま・まさかず)教育長が「今年も高野山小の子供たちに文化財の大切さを知ってもらえました。今後とも精進されまして、災害から文化財を守るようお願いします」と挨拶し、厳しい寒中の訓練に謝辞を述べていた。
写真(上)は防火啓発を行う消防車の隊列=金剛峯寺前で。写真(中)は発煙筒の煙が赤くなる中、蓮池の輪橋などから国宝・不動堂方面へ向けて放水する消防団員ら。写真(下)は壇上伽藍・中門に整列し角濱教育長や長谷部総務部長の挨拶を聴く消防団員ら。
写真(上)は蓮池の空に向かって輪橋などから放水する消防団員ら。写真(中)は「火の元に注意」と高野山金剛峯寺前をパレードする消防車などの隊列。写真(下)は放水の下部分に出現した七色の虹。