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若者よ玩具ドクターに♪おもちゃ病院設立10周年
おもちゃ(玩具)を無料で治し「ものを大切に」の心を伝えている、和歌山県橋本市の「はしもとおもちゃ病院」=柏木毅(かしわぎ・つよし)代表=は今年、設立10周年を迎える。同病院の登録ドクター15人の平均年齢は70歳代と高く、柏木代表は「子供たちにとって、おもちゃは宝物であり、とくに若者たちには、おもちゃドクターに興味を持ってほしい」と訴えている。
「はしもとおもちゃ病院」は平成21年(2009年)7月に開院。毎月第2土曜日と第4日曜日の午前9時~正午、橋本市教育文化会館3階で、おもちゃ診断や修理をし、高校生の「おもちゃ修理・ボランティア体験」にも貢献している。
最近では年間300~350個、過去9年間では計約2200個のおもちゃを修理してきた。例えば、三輪車のハンドル中央に取り付けられた「アンパンマンの人形とオルゴール」の故障を即座に診断。ドクターが治療に当たるとオルゴールから美しい音楽が流れる。
ビニール製の小鹿のバンビーや子ヒツジなども、穴が開いて空気が抜けていたが、穴を接着剤でふさぎ、空気を入れると、元気を取り戻す、といった具合。
これには、おもちゃを持参した子どもたちも親御さんも大感激。同病院では、おもちゃの持ち主の名前や住所、電話、おもちゃの種類、壊れた部位や原因、治療内容などをひかえた「カルテ」を作り、次に壊れた場合でも、敏速に「診察・治療」できる態勢をとっている。
このほど伊都振興局で記者会見した柏木代表は「ものが豊富すぎて、壊れるとすぐに新しいものを買う現代、子供たちには、ものを大切にする心を持ってほしい」と希望。「特別な資格や知識など不必要なので、若者たちには、おもちゃドクターになってほしい」と話した。
市民の間では「現代は人工頭脳(AI)時代であり、子供たちに〝おもちゃの本質〟を学ばせることが、将来きっと役立つ」という声も出ている。
問い合わせは柏木代表(電話=090・2505・7911)。
写真(上)は記者会見でおもちゃを披露する柏木代表。写真(中)はかわいく魅力的なおもちゃの数々。写真(下)はおもちゃの診察・治療風景=右が柏木代表、左がおもちゃドクター・池永恵司(いけなが・けいじ)さん。