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踊り子の竹細工など提供♪真土万葉の里で堀江さん
手づくりの踊り子やフクロウなどの竹細工が、「自由にお持ち帰りください」という張り紙をして、「真土万葉の里」休憩所(和歌山県橋本市隅田町真土)に置かれ、多くの観光客に喜ばれている。この竹細工・ボランティアは、近くに住む元・紀州へら竿師の堀江尚功(ほりえ・ひさよし)さん(78)で、堀江さんは「好きなところに飾ってもらえるだけで本望」と笑顔で話している。
堀江さんは5年程前から、竹細工・ボランティアを開始。近くの竹山の真竹(まだけ)を材料として、例えば、盆踊りの踊り子は、本体や三味線を竹で作り、編み笠は絵模様入りの布地で飾った。
フクロウは杉で三角形の木枠(きわく)を作り、松ぼっくりを活かして本体、輪切りにした竹でまん丸い目をつけた。他には、長い竹の先に止まりバランスをとる竹トンボなどの作品もある。
とくに踊り子は、まるで「風の盆」の世界のように、しなやかで美しく、静かな三味線の音さえ聴こえてきそう。昔から「幸せを呼ぶ」と言われるフクロウは、おだやかな表情で、見る人をやさしく見てくれている。
「真土万葉の里」は、紀の川へそそぐ落合川に「飛び越え石」があり、ここは多くの万葉人が、大和~紀州を往来した舞台である。
真土万葉保存会の西田郁司(にしだ・いくじ)副会長は、「今年4月から踊り子やフクロウなどを並べたところ、すでに約100個がお土産になり、皆さんに大変喜ばれています。今は踊り子を置いていますが、西田さん宅には、あと300個程あると聴いています」と話した。
西田さんは約5年前から、「少しでも地元の役に立ちたい」と考え、竹細工の腕前を生かして、踊り子やフクロウなどを製作し、隅田地区公民館に置いて、無償提供してきた。
今は歯科医の待合室や地元の飲食店、一般家庭の玄関、床の間などに飾られている。
堀江さんは「地元には行き渡ったと思うので、今度は真土万葉の里を訪れる、観光客の手土産になればと考えました。皆さんに喜んでいただけることが、私の日々の大きな励みです。来年も100個やそこらは作りたいと思います」と、にこやかに誓っていた。
写真(上)は素晴らしい竹細工作品を披露する堀江さん=自宅で。写真(中、下)は現在「真土万葉の里」休憩所で無償提供されている踊り子の竹人形。