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高野紙で卒業証書作り♪九度山小・児童ら紙漉き体験
自分たちの卒業証書を紀州高野紙で作ろうと、和歌山県九度山町の町立九度山小学校=池田彦男(いけだ・よしお)校長=の6年生26人は12月11日、同町慈尊院の紀州高野紙伝承体験資料館「紙遊苑」=下西徳義(しもにし・とくよし)苑長=で、弘法大師・空海が中国から製法を伝えたとされる「高野紙作り」に挑戦した。
同苑指導員の上田節子(うえだ・せつこ)さんが、水に楮(こうぞ)の繊維やトロロアオイを、棒でかき混ぜていく材料の作り方や、その材料を和紙にする方法をわかり易く説明した。
この後、児童らは下西苑長や上田指導員の介助で、漉き舟の中のどろどろ水を、四角い簀桁(すけた)ですくい上げ、ゆっくりと揺らすと、簀桁には薄くて白い幕が張った。この幕を板に貼りつけ、数日、天日干しすると、高野紙(A3判)ができあがる。
初めは全員ぎこちなかったが、あっという間に上手になり、「水がねばねば」「すごく面白い」などと呟きながら、和紙づくりを体感。6年生の柏木奏良(かしわぎ・そら)さんは「とても楽しかった。とくに簀桁から紙を外す時が、気持ちよかった」と話した。
児童らが製作した和紙は、町教委に届けた後、卒業証書が作成され、来春の卒業式では、児童自作の高野紙の卒業証書が授与されることになる。
下西苑長は「この高野紙の寿命は、300年以上もあり、素晴らしい卒業証書で、いい思い出になることでしょう」と話していた。
同苑の開苑時間は午前9時~午後4時半(入苑は同4時まで)=紙漉き体験は午後3時まで。休苑日は毎週月曜・火曜日(祝日は開苑)と年末年始(12月27日~1月5日) 。入苑無料。紙漉き体験=実習材料費(はがき大3枚か、色紙大1枚=個人300円、団体250円)=要予約。
問い合わせは紙遊苑(電話=0736・54・3484)。
写真(上、下)は高野紙の紙漉き体験に挑む九度山小6年生児童たち。写真(中)は児童たちに簀桁を持たせ高野紙の製法を説明する上田指導員=右手前。