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橋本地方・水害免れる~豪雨のち電車&山河あらわれ
本州に梅雨前線が停滞した7月7日、近畿地方も豪雨による人命・財産の大きな被害を受けたが、和歌山県橋本地方は、幸い河川の氾濫、住宅浸水などもなく、市民は胸を撫でおろした。
この日の橋本地方は小雨程度だったが、午後3時頃から同5時頃まで、断続的に豪雨に見舞われた。橋本市「防災はしもと」は同日午後4時過ぎ、「竜巻注意報」を発表するとともに、落雷、ひょう、急な強い雨に注意するよう呼びかけた。
南海電鉄・紀の川の鉄橋や、南岸沿いの国城山系の山々は、いきなり深い雲におおわれて、まったく見えなくなると、数100メートル離れた場所も、たちまち大粒の雨に叩かれ、傘が鼓のように音を立てる。
間もなく大雨が小雨に変わると、増水した紀の川鉄橋をわたる電車が鮮明に見えてきて、雲の棚引く国城山系の山々も、すっきりとあらわれる。
京奈和自動車道は、さすがに週末とあって車、車、車の列が次々往来。この季節、まだ白昼ともいえる午後4時頃でも、車両という車両はヘッドライトを点けて時折、フロントガラスに対向車の水しぶきを浴びながら、突き進んでいた。
市内の大型店では、夕食準備の主婦や一人暮らしの高齢者らが、衣服のすそをびしょ濡れにしてショッピング。「橋本は豪雨でなくてよかった。でも、他所では被災者があまりに多くて、とても喜んでなどいられない」「きれいな山河のまち橋本も、いつ線状降水帯(せんじょうこうすいたい)に襲われるかわからない」と話し、複雑な表情だった。
写真(上)は豪雨がおさまると南海・紀の川鉄橋をわたる電車も鮮明に見えてくる。写真(中)は夏の午後4時というのにヘッドラトを点けて走行する車の列=京奈和自動車道・高野口IC近くで。写真(下)は大雨の後さっと雲が棚引く雨季の国城山。