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おぉ!モリアオガエルの卵塊♪慈尊院の雨季の一幕
和歌山県の準絶滅危惧種に指定されているモリアオガエル(森青蛙)の卵塊(らんかい)が、梅雨入りしたばかりの世界遺産・女人高野別格本山「慈尊院」(同県九度山町)の噴水池の草むらに産まれ、高野山麓の清楚な佇(たたずま)いを醸(かも)し出している
同院は弘法大師・空海の母・玉依御前(たまよりごぜん)を祀る名刹(めいさつ)。噴水池はその東門わきで、「心」という文字の形に水を湛え、朱色の橋が架かり、銅製・倶利伽羅龍(くりからりゅう)が飾られている。
このモリアオガエルの卵塊は、まるで綿菓子(直径10数センチ)ようなの形の泡(あわ)の塊(かたまり)。安念邦賢(あんねん・ほうけん)副住職が、入梅直前の6月6日、同池南隅の草むらで発見。モリアオガエルの雌(めす)が泡の中に産卵し、雄(おす)が集まってきて、受精を済ませた後の姿らしい。
モリアオガエルは約10日後に孵化。オタマジャクシの子が雨を待って、泡とともに池に落下。約1か月後に四肢が生え、尻尾が消え、カエルの姿となって、足の吸盤を使い、樹上生活を送ることになる。
今、噴水池では朝昼晩、ケロケロというモリアオガエルの鳴き声が絶えず、雨が降るとうれしそう、雨が止むと天におねだりする合唱が繰り広げられている。
安念清邦(せいほう)住職は「ここには昔からモリアオガエルもガマガエルもいます。やさしく見守り、静かに耳を傾け、その声を聴いてやってください」と話していた。
写真(上)は慈尊院の噴水池・輪橋向こうに見えるモリアオガエルの卵塊。写真(中)綿菓子のようなモリアオガエルの卵塊。写真(下)は慈尊院の自然・生物をやさしく見守っている安念邦賢・副住職。