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原田駅長ら作務衣で歓迎♪高野山駅ケーブルカー輝く
世界遺産・高野山の玄関口である、南海電鉄・高野山駅=原田保(はらだ・たもつ)駅長(64)=の駅員たちは7月1日、僧侶の作業着・作務衣(さむえ)に身を包み、国内外から訪れる参拝・観光客を歓迎した。弘法大師・空海の高野山開創1200年記念大法会を支えた〝高野山ケーブルカー引退〟と相前後して、今秋、定年退職する原田駅長(橋本市胡麻生)は「私たちの作務衣姿から、宗教都市の古い駅舎とケーブルカーの趣(おもむき)を感じてもらえたら」と言っている。
和歌山県高野町の高野山駅は昭和5年(1930)建築・開業の木造2階建て。屋根に宝珠(ほうじゅ)が飾られ、壁には丸窓や欄干があり、洋館建てだが寺院風に造られている。
南海・極楽橋駅~高野山駅の高野山ケーブルカー(3代目)は、昭和39年(1964)に導入され、半世紀にわたり国内外からの参拝・観光客を運び、今年11月25日に引退する。新型車両は来年2月の運行開始予定である。
原田駅長は、昭和47年(1972)南海電鉄に入社。平成26年(2014年)2月に高野山駅や極楽橋駅など計6駅の駅長に就任。今年9月に定年退職する。
高野山駅は、平成27年(2015)の高野山開創1200年記念大法会に際し、駅舎が開業当時の昔の姿に大改装。とくに原田駅長は「高野山駅」としたためた大提灯(ちょうちん)で駅頭を飾り、高野山開創記念のイメージキャラクター「こうやくん」の看板を立て、駅舎内には、手に塗って罪穢(つみけが)れを除く、清めの「塗香(ずこう)」を置いて無料サービス。今もその「おもてなし」は続けられ、多くの参拝・観光客を喜ばせている。
この日、原田駅長は制帽に作務衣の上下、きれいな鼻緒の草履(ぞうり)姿、他の6人の駅員は制帽に上半身・作務衣姿で登場。ケーブルカーの大勢の乗降客を笑顔で迎え、丁寧に案内していた。
原田駅長が兼務する下古沢駅~高野山駅間の6駅の駅員は計30人(うち女性3人)で、このうち7人が交代で、男性はグレー、女性は若草色の作務衣姿になり、8月26日までの土曜、日曜日と、お盆(8月13、14、15日)に、高野山駅で働くことになっている。
原田駅長は「この季節、極楽橋駅の〝風鈴のトンネル〟をくぐり、高野山駅に来られる方々。私たちの作務衣姿で、宗教都市の雰囲気を少しでも感じてもらえたら光栄です。また54年間にわたり、世界の人々を高野山に運んできた、今の高野山ケーブルカーの活躍を、ぜひ讃えてやってください」と話していた。
写真(上)は南海・高野山駅で作務衣姿の原田駅長=左から2人目=ら。写真(中)は今年11月に引退の高野山ケーブルカー。写真(下)は高野山駅で参拝・観光客らを作務衣姿で歓迎する原田駅長ら。