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高野山へ通行OK♪台風被災の県道高野・橋本線
大型台風21号による山崩れで全面通行止めになっていた和歌山県橋本市学文路の旧・高野表参道である県道高野・橋本線は、1月30日、大量の土砂が取り除かれ、3か月余ぶりに復旧・開通した。京奈和自動車道・高野口ICや紀の川流域から、高野山方面へ向かう車はとても便利になり、多くのドライバーを喜ばせている。
県道高野・橋本線は、南海高野線・学文路駅前を通る河南道路(国道370号)の同駅東側から、南方の山々の中腹を走る紀の川フルーツライン(広域農道)に通じている。同駅からフルーツラインまで約1キロ、道路幅は4~6メートルである。
昨年10月21、22日の台風21号の豪雨により、学文路駅付近から南約500メートルの同県道で、東側の山斜面が幅約80メートル、高さ約50メートルにわたって崩れ、大量の土砂が道路をふさぎ、すぐ西側を流れる西谷川(にしたにがわ)にも土砂があふれた。
県は道路上の土砂をすべて除去したうえ、とりあえず山側に鉄柵(長さ58メートル、高さ5メートル)を設けて、現場をほぼ元通りに復旧。車の通行幅は約4メートルで、大型車は通行できないが、普通車の通行はOKとした。
この日の開通で、車は学文路駅東側から県道をのぼり、紀の川フルーツラインを経て、九度山町河根の赤瀬橋を渡り、高野山方面へ走れることになった。
とくに南海高野線・九度山駅付近から高野山方面に向かう国道370号は、台風21号被害により、赤瀬橋付近の山崩れで、今なお全面通行止めになっている。復旧工事中だが、開通時期などの見通しは立っていない。
また、県道高野・橋本線わきには、平安時代の親子哀話「石童丸物語」で名高い「学文路苅萱堂(かむろかるかやどう)」があり、健脚者は徒歩で訪れ、さらに高野山をめざす。
それだけに今回の県道復旧・開通は、多くのドライバーやハイカー、参拝・観光客への朗報となっている。
写真(上)は土砂を除去し、山側に鉄柵を設けた県道高野・橋本線。写真(中)は台風21号による山崩れで土砂に埋まった県道高野・橋本線=和歌山県伊都振興局・撮影。写真(下)は紀の川流域の風景が見える学文路苅萱堂付近の県道高野・橋本線。