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五輪金・古川選手の写真新しく♪橋本中同級生26会
和歌山県橋本市立橋本中学校(現・橋本中央中学校)出身のオリンピック水泳金メダリスト・古川勝(ふるかわ・まさる)さん(1936~93)の同級生でつくる「26会(にろくかい)」(約150人)=宮西高雄(みやにし・たかお)幹事=は、8月21日、古川さんと同郷のオリンピック金メダリスト・前畑秀子さんの2人の新しい写真を同校に寄贈し、2人の功績を讃えた。
古川さんは橋本中学校、橋本高校、日本大学へと進み、昭和31年(1956)の第16回メルボルン・オリンピック男子200メートル平泳ぎに出場。独自で編み出した「潜水泳法」により、2分34秒7の世界新記録で優勝を飾った。
前畑さん(1914~95年)は少女時代、紀の川で泳いで心身を鍛え、名古屋の椙山(すぎやま)女学園時代に実力を伸ばし、昭和11年(1936)のベルリンオリンピック女子200メートル平泳ぎで、日本女性初の金メダルを獲得。同郷の古川さんは前畑さんの影響をもろに受けて育った。
橋本中央中学校の「26会」は、古川さんがその前身の橋本中学校を卒業した「昭和26年」の同級生でつくる親睦会。会員は誕生日前なら81歳、誕生日後は82歳になる。
同会は平成18年(2006)に古川、前畑さんの2人の額入り写真(縦63センチ、横73センチ)を寄贈。正面玄関の柱に掲示していたが、モノクロ写真が薄青く変色、ぼやけてきたため、新しく現像した同型の写真を改めて寄贈、同じ場所に掛け替えた。またA4判サイズの同様写真を橋本小学校に贈った。
この日「26会」会員16人が、中学校正面玄関に集合。岡本孝範(おかもと・たかのり)校長が感謝状を贈り、「今、当校1年生の中に県内1位、全国大会上位を目指す水泳選手がいますので、とても楽しみです。古川さんのご活躍は、生徒たちに力を与えるので、今後とも全校生に伝えていきたい」と謝辞を述べた。
宮西幹事は読売新聞(昭和36年)の連載「強豪の群像」(1)の「古川勝 泳法変え2か月で世界最高」の記事(スポーツライター執筆)を朗読。
当時、アメリカ初の原子力潜水艦「ノーチラス」が登場したことから、古川さんの潜水泳法が「人間ノーチラス」の異名をとったこと。
その潜水泳法も、メルボルンオリンピックを最後に禁止となったが、古川さんは、平泳ぎのめまぐるしいルール改正に直面しながらも、そのつど逆境を乗り越えて、優勝したことなどを紹介。その卓越した同級生の、在りし日の心情や雄姿をしのんだ。
最後に童謡「ふるさと」を合唱、記念撮影、昼食を共にして歓談。同級生らは「古川はカエル泳ぎしとったのに、高校ではバタフライ、大学で潜水泳法と成長した」「当時、流れの早い紀の川で、古川と対岸へ向かって泳ぐと、古川が向こう岸に着いた時には、私は1キロも下流へ流されていたよ」「あの頃の紀の川は、水も川底の石もきれいやった」などと述懐。今も変わらない心のつながりを示していた。
写真(上)は古川さんと前畑さんの写真を寄贈した旧・橋本中学校の「26会」会員ら。写真(中)は岡本校長から「26会」を代表して感謝状を受ける津守さん。写真(下)は記念撮影に収まる「26会」会員と岡本校長ら。