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幻のリュウゼツラン満開♪これは祝福…酒向さん感激
「半世紀に1度しか咲かない」と言われる幻の花「リュウゼツラン(竜舌蘭)」が、7月24日、和歌山県橋本市隅田町下兵庫の株式会社「酒向(さこう)製作所」橋本工場の敷地内で満開になり、多くの市民を感動させている。
「酒向製作所」(本社=大阪市西区)は、昭和20年(1945)の大空襲で全焼し、酒向征時(さこう・せいじ)さんらが橋本市東家へ疎開。このリュウゼツランは、そのとき移住した自宅庭に植えられていて、株は大きいものの、高さはまだ30センチ程度だった。それを昭和54年(1963)、橋本工場を開設した際に移植したが、根元の棘とげしいサボテン状の葉が大きくなるだけで、まったく変化は見られなかった。
珍しい現象が起きたのは今年6月から。竜舌状(りゅうぜつじょう)の数十枚の葉の間から、ぐんぐんと花茎が伸びて、7月中旬には高さ約7メートルの花茎の上部から、23本の枝が張り出し、今は枝々に無数の淡黄色(たんこうしょく)の花が咲いて、夏の光を燦々(さんさん)と浴びている。
リュウゼツランはメキシコ原産で、半世紀に1度開花した後は、小さな芽を残し、すべて枯死するといわれる。それだけに酒向さんの友人知人らは、一生に一度見られるか否かの「幻の珍しい花」をスマホ撮影し、さっそく配信している。
今年は酒向製作所の創業100周年記念祝賀会や、酒向さんの金婚式(結婚50年)を開いた節目の年。酒向さんは「こんな大切な年に、こんなに見事に咲いてくれて。まるで私たちを祝福してくれているようで、とてもうれしいです」と話し、まぶしいばかりのリュウゼツランを見上げていた。
酒向製作所・橋本工場は、国道24号わきの国の重要文化財「利生護国寺」の北西側約100メートル付近にある。
写真(上)は満開のリュウゼツランの花々。写真(中)はたくましい竜舌状のリュウゼツランの葉。写真(下)リュウゼツランを見上げる酒向さん。