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「ゴン大好き」児童感想文♪慈尊院へ歌手妙佳さん奉納
今は亡き〝高野山案内犬・ゴン〟の遺徳を伝えようと、シンガーソングライター・妙佳(taeka) さんが、大阪市内142小学校いきいき学級(児童計約5000人)で、「紙芝居&ミニコンサート」を順次開催し、全児童が書いた感想文・絵の綴りを、ゴンが暮らした和歌山県九度山町の高野山真言宗・女人高野別格本山「慈尊院」へ奉納した。安念清邦(あんねん・せいほう)住職は「きっとゴンちゃんも感激。境内の多宝塔で保存したい」と話し、妙佳さんは「よかった。子供たちも喜びます」と笑顔を見せていた。
ゴンちゃん=昭和63年(1988)~平成14年(2002)=は、紀州犬と柴犬の雑種。野良犬だったが慈尊院に住みつき、参拝者を慈尊院から高野山(標高約850メートル)金剛峯寺・壇上伽藍・奥の院に続く「町石道(ちょういしみち)」(計約24キロ)を先導。人々が迷わないよう後ろを振り向いたり、草むらのマムシを追っ払ったりするなど「お大師様の使いの名犬」として愛された。
妙佳さんは平成27年の「高野山開創1200年記念大法会」を機会に、紙芝居「高野山案内犬ゴンのお話」=絵・信木俊輔(のぶき・しゅんすけ)さん(橋本市隅田町)、文・妙佳さん=と、オリジナル曲・CD「高野山の案内犬ゴンの歌」=妙佳さん・バンディ石田さん作詞作曲=を制作した。
妙佳さんは、歌手活動の合間を見て昨年8月、大阪市内の2小学校いきいき学級で、ゴンちゃんの「紙芝居&ミニコンサート」を開いたところ大好評で、以来、今年5月末まで同市内の大半の小学校いきいき学級を訪問。紙芝居では「おにぎりなどくれなくても、必死で参拝者を案内する、ゴンちゃんの〝見返り〟を求めない純粋な心」を披露した。
ミニコンサートでは「♪僕は野良犬さ ♪ひとりでいたんだ ♪おなかはペコペコ ♪だからとってもさみしかった ♪道は知ってるよ ♪僕についてきて ♪旅人を迷わず ♪お参りにつれていくんだ…」と、ゴンの心になって歌った。
子供たちは全員、目を丸くして、ゴンの可愛さに魅かれ、歌はすぐに覚えて、妙佳さんと一緒に歌いだす。最後に妙佳さんが、全員にゴンのイラストを印刷した用紙を手渡し、「何でもいいから、思ったことを書いてね」と言うと、子供たちはゴンちゃんの絵や、「ゴンちゃんしんせつ」「がんばるゴンちゃんだいすき」などという感想を書いた。
妙佳さんは、ゴンちゃんの命日の6月5日、手引きトランクに「感想文・綴り」を入れて大阪から慈尊院へ到着。堂内で迎えた安念住職に経緯を説明したうえ、「感想文・綴り」を奉納した。
安念住職は「ゴンちゃん物語を沢山の子供たちに教えてくれて有難う」と謝辞。妙佳さんは「昨年、慈尊院で〝高野山の案内犬ゴンの歌〟を初めて披露させてもらった際、御住職から〝子供たちにも知ってほしい〟とお聴きし、私も同じ気持ちだったので実践しました」と説明。「見返りを求めないゴンちゃんのように、私も生きたいです」と語った。
妙佳さんは2011年に大阪のFMCOCOLOでラジオDJデビュー。2015年に高野山開創1200年記念CDにメインボーカルとして参加。高野山案内犬ゴンの紙芝居&歌が関西テレビ「ワンダー」で紹介されるなど、東京、大阪、名古屋を中心に活躍、人気上昇中。
CD「高野山の案内犬ゴンの歌」は1080円(税込み)=詳細は妙佳さんのHP。
写真(上)は慈尊院で安念住職=左=に大阪市内142校約5000人の子供たちの「ゴンちゃん感想文」綴りを披露する妙佳さん=右。子供2人は安念住職のお孫さん。写真(中)は感想文を披露する妙佳さん。写真(下)はゴンちゃん(石碑)に感想文奉納を報告する妙佳さん。