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「ゴン物語」東京で紹介~「慈しむ心」と尼僧妙純さん

世界遺産・女人高野別格本山・慈尊院(和歌山県九度山町)に棲んでいた、今は亡き「高野山案内犬ゴン」の物語について、東京の寺院法話で紹介、参拝者から「素晴らしい」と反響を呼んでいる尼僧がいる。その方は群馬県伊勢崎市富塚町の芳賀妙純(はが・みょうじゅん)さん(67)で、妙純さんは「何の見返りも求めず、参拝者を高野山へ案内し続けたゴンの気持ちを、1人でも多くの方々に知っていただきたい」と言っている。
妙純さんは真言宗豊山(ぶざん)派・宝幢寺(ほうどうじ)の出身。英文タイプの仕事や、東京の建設新聞編集担当で自立するなど、さまざまな経験を経たうえ、平成19年(2007)に豊山派寺院で得度。奈良県の長谷寺などで、厳しい修業を重ね、同21年には豊山派の教師資格を取得して、在家僧侶となった。
慈尊院は、弘法大師・空海の御母堂が、女人禁制のため高野山に登れず、同院に滞在し、大師が毎月九度通った古寺。妙純さんが3年前、御母堂を祀る同院を訪問した際、安念清邦(あんねん・せいほう)住職から、ゴンの見事な生きざまを聴いて感激、ゴンが大好きになった。
ゴンはもともと、紀の川に注ぐ紀伊丹生川の橋の下にいた野良犬で、いじめや空腹などに耐えていたが、やがて南海高野線・九度山駅から慈尊院まで、参拝者を案内するように。
昭和63年(1988)には、同院に住みつき、多くの参拝者を先導、高野山へ続く「町石道(ちょういしみち)」(約24キロ)を案内。途中、参拝者が迷わないように、何度も後ろを振り返り、草むらにマムシが潜んでいると、必死で追い払った。その、ゴンも平成14年(2002)6月、老衰のため永眠したが、慈尊院境内に建つゴンの石像にお参りし、ゴンの遺徳をしのぶ人は絶えない。
妙純さんは普段から毎月1回、法話を披露してきた東京都豊島区巣鴨の豊山派・真性寺(しんしょうじ)で早速、「高野山案内犬・ゴン物語」を紹介すると、参拝者らは「何という素敵なワンちゃん」「慈尊院へ行ってみたい」などと、大反響を呼んだ。妙純さんは今年3月以降、数回に分けて、四国88か所巡礼の旅に出たため、「ゴン法話」は1時休止しているが、8月から再開することになっている。
一方、妙純さんは民放テレビにも出演し、タンスの着物を材料にした「作務衣(さむえ)作り」を紹介するなど、茶の間の人気僧侶でもある。さらに若い頃の「お菓子作り」の経験を生かして、ゴンの姿をあしらった「ゴンちゃんクッキー」も試作中。そのゴンの説明書きには「誰に対しても4つの心①いつくしむ心②あわれむ心③ともによろこぶ心④たいらなこころをもって、おおくのひとをしあわせにし、今も願っております」と記している。
妙純さんは「ゴンちゃんは、橋の下で暮らしていた頃、孤独や空腹、投石による傷心…など、どん底を経験しました。それだけに、誰よりも他を思いやる心が深かった。これからも素敵なゴンちゃんの真心を伝え続けます」と語った。
写真(上)は慈尊院の境内に建つ弘法大師とゴンの石像を参詣した妙純さん。写真(中)は慈尊院本堂前に立つ妙純さん。写真(下)は慈尊院の多宝塔を背景に山門に立つ妙純さん。

更新日:2015年6月10日 水曜日 00:00

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