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木工芸家・池田さん工場全焼~逸品・風神雷神も

和歌山県指定の伝統的工芸品・紀州高野組子細工を行う木工芸家・池田秀峯(いけだ・しゆうほう)さん(69)の工場=橋本市野=が5月4日、昼火事で全焼し、貴重な作品「風神・雷神」を含む組子細工の屏風や欄間など多数を焼失した。
目撃者の話を総合すると、同日午後1時30分頃、池田さんの工場の西側にある住宅兼製材所付近から出火。橋本市消防署や地元消防団などから消防車が出動、消火に当たったが、強い西風に煽られ、池田さんの工場(鉄骨2階建て)をはじめ、民家・製材所・事務所など4棟計約4300平方メートルを全焼して、約2時間後に消えた。
現場は国道24号沿いの南側で、国道北側にはJR和歌山線が走っており、橋本署は国道を往来する車を、紀の川堤防沿い市道などへ迂回させた。和歌山線は一時、五條~粉河間で部分運休した。この火事で製材所の経営者ら2人が軽いやけどを負った。橋本署で火元、原因を調査中。
池田さんの工場は祝日のため休業。池田さんは同市東家の自宅で火事の知らせを受けて、現場に急行、消火活動を見守ったが、手の付けようがなく、わずか約30分間のまたたく間に延焼。工場内には、長い歳月をかけて心血を注いできた逸品が、すべて灰燼(かんいじん)に帰してしまった。
池田さんは、父が創設した池田清吉(せいきち)建具の2代目、紀州高野組子細工師7代目。その伝統的・組子細工を基本に、色彩の異なる木々の組子を素材に欄間、額、短冊掛け、行燈(あんどん)などに、絵模様をあしらう独自の「きのくに・ちぎれはめ込め技法」を編み出した。
高野山金剛峯寺承認/厚生労働省認定一級技能師、和歌山大学学生自主創造センターシニアアドバイザー、和歌山県職業訓練指導員、厚労省ものづくりマスターとして活躍中。
たまたま国道24号をマイカーで西進していた橋本市議会元議長・井上勝彦(いのうえ・かつひこ)さんの話によると、「国道左側の民家から炎と黒煙が出ているのを発見。後方から車が来るので、そのまま走り、紀の川の沿道から現場に戻ったが、すでに火は池田さんの工場に延焼。どうすることもできなかった」と悔しがる。
橋本市商工会議所の畑野富雄(はたの・とみお)会頭は「まだ世間に発表していない『風神・雷神』など、目を見張るような作品を失ったのは至極残念です」と話し、火災現場に駆け付けた大勢の友人たちとともに、悔しい気持いっぱいで、焼け跡を見ていた。
写真は火炎をあげる池田さんの工場とその周辺。

更新日:2016年5月4日 水曜日 16:20

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