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子ども相撲「山下さん姉妹」初優勝♪隅田八幡神社
子どもたちの心身鍛錬と郷土愛を育てる和歌山県橋本市の第35回「隅田八幡相撲大会」(隅田相撲愛好会主催)が、4月29日、同市隅田町垂井の同神社境内・相撲場で開かれ、大勢の保護者らが見守る中、子どもたちが熱戦を繰り広げた。今回は小学4、5年生の姉妹が同大会初の学年優勝を果たし、栢木(かやのき)義夫・同愛好会長は「実に素晴らしい。勉強もスポーツも、頑張ってほしい」と讃えていた。
この日、寺本嘉幸(てらもと・よしゆき)宮司が、土俵上で祝詞(のりと)をあげた後、栢木会長が子どもたちに対し、「きょうの相撲経験をいい思い出にし、いい友達をつくってください」と希望。
平木哲朗(ひらき・てつろう)市長は「大相撲は貴乃花以来、日本人の横綱がいないのは残念ですが、相撲に限らず、この大会を通じ、子どもたちの健闘を、祈念いたします」と挨拶した。
地元の隅田小学校と、あやの台小学校の1~6年生児童計35人(うち女児3人)が出場。子どもたちは、名前を呼ばれると、土俵にあがり一礼。中央で蹲踞(そんきょ)の姿勢をとり、行事が軍配を上げ、「はっきょい」と言った瞬間、気迫いっぱい立ち上がり、足を掛けたり、降り回したり、可愛い取り口を見せた。
その結果、小学4年生の部であやの台小の山下梨花(りんか)さん(9)と、同5年生の部で姉の楓夏(ふうか)さん(10)の姉妹が、みごと初優勝。2人は幼稚園時代から奈良県五條市の道場で柔道を習い、昨年、同相撲大会に初出場して、2人とも準優勝した。
今回は試合前、姉妹で相撲練習に取り組み、本番では、男子児童を上手投げや、浴びせ倒しなどで圧勝。会場から「すごい」「将来有望」などと、喝采を浴びた。
梨花さんと楓夏さんは「昨年は準優勝止まりで、とても悔しかった」「今回は事前に稽古(けいこ)して、優勝できたのでうれしい」「今後、柔道も相撲もがんばります」と、可愛い笑顔を見せていた。
隅田八幡神社の境内では、江戸時代から郷土相撲が行われ、昭和15年(1940)頃に第二次世界大戦で途絶えていた。地元有志は昭和55年(1980年)、隅田相撲愛好会を結成、同神社近くの谷状の場所に土俵を築造。「隅田八幡相撲大会」を復活つせ、東日本大震災の年を除き、毎年大会を続けてきた。
栢木会長は「子どもたちの心身を育む、子ども相撲は大切。今回は、山下さん姉妹が見事初優勝するなど、見応えのある大会になりました。皆さんと力を合わせ、郷土相撲を守ります」と誓っていた。
写真(上)は気迫いっぱいの立ち合いをする山下楓夏さん。写真(中)は男子児童を負かす山下梨花さん。写真(下)は子どもたちの心身を育む隅田八幡相撲大会。