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真田赤備え列車♪山河に映えて~鉄道ファン魅了
来年のNHK大河ドラマ「真田丸」放映にちなみ、南海電鉄=遠北光彦(あちきた・てるひこ)社長=は高野線・難波駅~極楽橋駅間で「真田赤備(あかぞな)え列車」を走らせているが、とくに和歌山県橋本市と九度山、高野両町の山河の自然の中を走る光景は素晴らしく、大勢の鉄道ファンを魅了している。
真田幸村は関ヶ原の戦いで敗退後、蟄居(ちっきょ)を命じられ、高野山・蓮華定院(れんげじょういん)で起居。避寒(ひかん)のため山麓の九度山に移住し、大坂の陣・出陣までの14年間を家族とともに過ごした。
そこで南海電鉄は、大河ドラマ放映を機に沿線を盛り上げようと、高野線2000系車両(4両1編成)を真田家・甲冑(かっちゅう)「赤備え」の朱色にラッピング。車体や内装も真田家・家紋の「六文銭」や「結び雁金(かりがね)」のデザインで飾った。
すでに、11月1日から難波駅~極楽橋駅間を不定期で運行。さらに南海高野線「九度山駅」も真田家の家紋入り〝真田の赤備え〟の武家屋敷風に改装した。
このため同駅に「真田の赤備え列車」が滑り込むと、あたりはたちまち輝きを増し、ぴーんと平成時代の空気が引き締まる。近府県から訪れる観光客は、カメラやスマホで必死に撮影する。
また、山河の風景が見事なのは、高野山麓の橋本市を流れる紀の川。とくに「真田の赤備え列車」が、これまた赤い鉄橋をゆったりと渡る光景は、深く心に沁みわたる。
さらに、学問の神様・菅原道真公を祀る学文路(かむろ)天満宮近くを走る時には、沿線の町や田園風景を背景に優雅な存在感を表している。
南海高野線の列車&沿線風景を半世紀以上にわたり撮影を続けている同市御幸辻のフォトライター・北森久雄(きたもり・ひさお)さんは「赤備え列車は、真田幸村を感じさせる、実に見事なデザインです。高野山開創1200年、そして大河ドラマ・真田丸…、今後ますます国内外の観光客が、乗車や撮影を楽しむことでしょう」と話した。
写真(上)は九度山駅に滑り込もうとする「真田の赤備え列車」。写真(中)は橋本市の紀の川・鉄橋を渡る同列車。写真(下)は学文路天満宮近くを走る同列車=いずれも北森久雄さん撮影。