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すごい!椎出「鬼の舞」~21日・初の写真展開幕

和歌山県九度山町の椎出・厳島(しいで・いつくしま)神社に伝わる神事「椎出鬼の舞」(県無形民俗文化財)の写真を集めた「第1回椎出鬼の舞写真コンテスト」の写真展が、11月21日(土)~23日(月・祝)、同町入郷5の5の道の駅「柿の郷くどやま」体験・研修施設で開催。別当寺である高野山真言宗・地蔵寺所蔵の奉納品なども出展していて、主催者の椎出鬼の舞保存会の河合達哉(かわい・たつや)会長(72)は「先ず写真から鬼の舞の素晴らしさを感じて、来年はぜひ神社境内で直接ご覧いただきたい」と言っている。観覧無料。
この鬼の舞は、毎年8月16日、髪を赤く染めた赤鬼1人が、太鼓、笛、地謡のリズムに乗って地蔵寺を出発し、約30メートルの急坂をゆっくり練り込んで厳島神社に到着。鬼は金棒を振り回し、勇壮豪快に踊りながら、時には号泣する。鬼が泣けば大人が笑い、鬼が迫ると子どもが大泣きするというユーモラスな奇祭。
南北朝時代から続くとされる、能の流れをくむ「豊作」「厄払い」「雨乞い」神事で、橋本・伊都地方や近府県から、大勢のプロ・アマ・カメラマンが殺到。最近ではスマートフォンを使い、友人知己にその映像を発信して、喜ばれている。
そこで、椎出鬼の舞保存会は「今、少子高齢化により、過疎化現象が著しい古里の活性化を考え、先ず、写真展で郷土の素晴らしさを知ってもらおう」と、写真コンテストを企画した。
地元や近府県の35人から応募があり、同保存会が審査の結果、九度山町長賞に楠田秀雄(くすだ・ひでお)さん(大阪府八尾市)の「安産祈願」、伊都振興局長賞に中野光造(なかの・みつぞう)さん(橋本市)の「神域」、九度山町教育長賞に斎藤勝弘(さいとう・かつひろ)さん(阪南市)の「お疲れさん」、九度山町議会議長賞に北浦豊明(きたうら・とよあき)さん(かつらぎ町)の「鬼の舞」、椎出鬼の舞保存会長賞に天野美智子(あまの・みちこ)さん(大阪市東住吉区)の「こわい」など5点を選んだ。
今回初の写真展では、全応募作とともに、同保存会に4人の画家から寄贈された「鬼の舞」の絵画や、地蔵寺が所蔵する木彫りの飾り「六地蔵を拝む僧侶」、四国88か所のお札を貼った6曲屏風などの奉納品を展示した。
21日は午前11時から表彰式があり、九度山町教委の田口勝(たぐち・まさる)教育長や伊都振興局の古田雅昭(ふるた・まさあき)局長、井上崇(いのうえ・たかし)同町議会議長、河合会長らが、受賞者計9人を表彰。観覧は午後1時~同5時、22日は午前9時~午後5時、23日は午前9時~正午としている。
会場の「柿の郷くどやま」は、京奈和自動車道・高野口ICから、開創1200年の高野山へのぼる途中で、九度山は戦国武将・真田幸村ゆかりの里でもあり、普段でもマイカーで訪れる観光客は多い。河合会長は「高野参拝や九度山の町中めぐりの途中、ぜひ立ち寄ってください」と呼びかけている。
写真(上)は会場に飾られた九度山町長賞の鬼の舞の写真「安産祈願」など。写真(中)は展示中の素晴らしい「鬼の舞」の1作品。写真(下)は写真「とともに展示されている地蔵寺所蔵の木彫の飾り「六地蔵を拝む僧侶」や「梵字般若心経」。


更新日:2015年11月21日 土曜日 00:00

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